PJ: 林田 力
世田谷区議会でデジタル・コンテンツ問題が追及
2011年10月25日 05:56 JST
【PJニュース 2011年10月25日】世田谷区議会決算特別委員会が2011年10月18日に開催され、渦中のデジタル・コンテンツ問題も追及された。これは世田谷区が進めてきたデジタル映像コンテンツ関連企業を二子玉川周辺に集積させる「デジタル映像コンテンツ産業誘致集積支援事業」が中止された問題である。
この事業は民間主導で進めるとの名目で、特定非営利活動法人ディジタル・コンテンツ・インスティテュート(DCIn)を推進事業体に選定した。ところが、DCInは総務省の補助事業でシステム開発経費の過大計上などの問題が明らかになり、世田谷区のデジタル映像コンテンツ産業誘致集積支援事業も約2000万円の補助金を受け取りながら6月に撤退した。
生活者ネット・社会民主党の桜井純子議員はNPO法人の選考過程を追及した。秋山由美子副区長は「公募に5社が応募した。その中でDCInはコンセプトがしっかりしており、メンバーにも有名な教授がいたために選考当時は評価していた」と答えた。
しかし、桜井議員は「コンセプトがしっかりしていたことと有名な教授がいるということだけで、新しい産業を興すという事業を任せたことが問題」と反論した。「事務局長不在などマネジメント能力が欠けている団体に任せた」ことを問題視し、「問題点を調査委員会で明らかにしていくべき」と注文した。保坂展人区長は「後の教訓になるような調査ができる体制を作りたい」と応じた。
日本共産党の村田義則議員は二子玉川にデジタル映像コンテンツ産業を集積させる計画自体が秘密裏に進められてきたことを追及した。二子玉川に映像産業を集積させる構想は自然発生的なものではなく、上からのものであった。2008年に発行された経済産業省関東経済産業局の委託報告書『デジタルシネマを核とした次世代映像コンテンツ産業集積に関する産学連携コンソーシアム事業報告書』に登場する。
この検討委員会には世田谷区もオブザーバーとして加わっている。ところが、世田谷区には一切の資料が残っていないことが村田議員の追及で明らかになった。さらに映像コンテンツ産業集積を具体化するために任意団体・産学連携デジタル映像コンソーシアムが設立され、世田谷区も委員を派遣したが、その資料もないという。この団体の現状について、杉本産業政策部長は「把握していない」と答弁した。村田議員は「デジタル産業集積の計画が秘密裏に進められてきたと批判し、「徹底した調査を求めたい」と述べた。
みんなの党・世田谷行革110番の桃野よしふみ議員は補助金の無駄遣いを追及した。秋山副区長の答弁によってDCInによる補助金の返済が滞っている事実が明かされた。月々16万円の支払いにより、5年で完済する債務弁済契約を締結したが、最初の7月分が返済されただけで、8月以降の返済がない。
さらに桃野議員は世田谷区の虚偽説明を糾弾した。保坂区長とDCInは6月3日に会見したが、区側は議事録を作成していないと説明していた。ところが、実際は存在しており、18日の議会開会直前に「区長判断による情報提供」との理由で全議員に配布された。
文書をないと虚偽説明したことについて「理事側の発言について相手側の確認が取れていない」ことを理由とした。これに対して、桃野議員は「『先方の発言に確認が取れていないから出せない』は理由にならない。『先方の確認をとるまで待ってください』になるのではないか。文書を隠したいから虚偽の説明をしたのではないか」と糾弾した。【了】
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