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PJ: 林田 力

勢いに乗る韓流(下)
2010年11月12日 10:24 JST

【PJニュース 2010年11月12日】日本にはコンテンツ産業の世界戦略について明確な認識を有している政治家が存在するだろうか。日本ではアニメ・マンガの殿堂(国立メディア芸術総合センター)を建設する計画が持ち上がったが、ハコモノ行政の延命策に過ぎなかった。

これからは物と文化の相乗効果が重要になる。遅かれ早かれ物の大量生産・大量消費の経済は曲がり角を迎える。その結果、物の消費は節約的になり、情報を消費する経済になる。情報の消費に節約はない。情報は無尽蔵だからである。情報消費型の経済では文化力が重要になる。
日本では、未だ物(製造業)と金融という感覚に留まっているが、これが物と金融と文化となってくる。これからはアニメのような文化力が物の販売の競争力に影響する時代になってくる。その点では、韓国が日本に先行している。日本は、文化力を物の販売の競争力に結びつける積極的な感覚が乏しい。

第二に日本のコンテンツの内向き意識である。確かにオタク(OTAKU)文化は世界に通用するものである。しかし、世界で持ち上げられるオタク文化は日本国内で必ずしもメジャーではない。むしろ、国内で圧倒的に支持されているコンテンツは実はオタク文化ではない。書籍では以下のように表現する。

「ヒットしているドラマ、映画、小説、音楽は、明らかにヤンキー層をターゲットにした作品である。こうした状況を見るとヤンキーコンテンツがマスであり、オタクコンテンツはそのオルタナティブでしかないというのがよくわかる。」(速水健朗「ヤンキーブームを常に支えるナンシー関と日本人の美意識」『別冊サイゾーvol.1 タブー破りの本300冊 サイゾー11月号臨時増刊』2010年、83頁)

そしてヤンキーコンテンツの例として『クローズZERO』や『ROOKIES』を挙げる。このヤンキー文化がメジャーなポジションにのさばっていることが日本文化の弱点である。何故ならばヤンキー文化は国内、さらには特定世代にしか通用しない傾向が強く、国際的な文化発信力が弱い。

しかも、オタクにとってヤンキーは有害で迷惑な存在でしかない。『電車男』のモデルが典型的であるが、オタクの集うインターネット掲示板「2ちゃんねる」で暴走族を「珍走団」という彼らの行動に合った恥ずかしい名前に読み替える運動が広がったことが象徴している。
日本はオタク文化が世界で賞賛されながらも、コンテンツ輸入国であり、韓流に席巻されている。そこには国内でメジャーなコンテンツを堂々と輸出できる韓国と、メジャーなものが恥ずかしいヤンキー趣味に汚染された日本の差がある。【了】

■個人ウェブサイト
林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』

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