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PJ: 林田 力

不動産仲介手数料の不合理(2)新築マンション
2010年08月22日 07:08 JST

【PJニュース 2010年8月22日】仲介手数料は本来、仲介業者経由で購入したことによって発生するものである。しかし、支払いの要否は事実上、物件別に色分けされている。大体、以下の通りである。

・仲介手数料あり:中古マンション、新築戸建て、中古戸建て
・仲介手数料なし:新築マンション

新築マンションのみ仲介手数料は不要である。新築マンションは通常、売主指定の販売業者が販売代理として販売する。例えば私が消費者契約法に基づき契約を取消した東急不動産のマンションは東急リバブルが販売を代理した。代理とは本人に代わって本人のために行為を行うことである。購入者から見れば仲介業者を介さずに直接売主から購入したことになり、仲介手数料を支払う必要がない。新築マンションだからではなく、仲介手数料の本来の仕組みから仲介手数料を払う必要がない。

しかし、家探しの過程で私は不思議な経験をした。地域の不動産仲介業者に物件探しを依頼したところ、条件を満たす新築マンションも紹介された。その際、中古物件では仲介手数料を払う必要があるが、新築マンションでは仲介手数料は不要と言われた。確かに新築マンションを購入するならば直接販売会社に行けばよく、仲介手数料を払ってまで地域の仲介業者から購入する必然性はない。

故に消費者にとっては仲介手数料を払わされたら話にならないが、それでは仲介業者の利益にならない。そのため、もし仲介業者の紹介で新築マンションを購入した場合、仲介業者には新築マンションの売主または販売業者からリベートを受け取れる仕組みになっているのではないかと推測する。ただ、売主側からバックされるから仲介手数料は不要となると、仲介手数料の本来の仕組みからは逸脱する。制度本来の意義よりも金銭的事情を優先させる不動産業界を象徴する一事である。

この点については販売業者の姿勢にも疑問を感じたことがある。私が東急不動産から購入したマンションは不利益事実(隣地建て替えなど)を隠されたものであった。真相を知った私は最初に東急リバブルに抗議した。当該物件では東急リバブルが販売代理であり、販売手続きも重要事項説明も全て東急リバブルの従業員が実施していた。東急不動産の従業員が登場することはなかった。

故に苦情申し入れ先として東急リバブルを選択したことは自然である。しかし、東急リバブルは「販売業者だから知らない、売主の東急不動産に言え」というたらい回しの態度であった。販売代理業者としての責任感は皆無である。東急リバブルの無責任さには激しい怒りを覚えた。東急リバブルの対応は決して同意や容認できるものではない。しかし、東急リバブルに販売代理ではなく、仲介業者としての感覚しか持ち合わせていないと考えれば、たらい回しした背景を理解することは可能である。ここにも販売代理と仲介という制度の趣旨を蔑ろにする不動産業者の体質が見え隠れする。

制度の趣旨に即しているかは疑問があるものの、新築マンション購入では仲介手数料不要という結論自体は消費者にとって歓迎できる。一方、私が家探しで疑問を感じた点は戸建ての場合は新築であろうと業者が売主であろうと仲介手数料が必要になるという点であった。この点については次に論じる。【つづく】

■個人ウェブサイト
林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』

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