PJ: 石川 雅之
映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」が描く上を向いて歩いた日々
2012年01月26日 20:12 JST
(C)2012 「ALWAYS 三丁目の夕日'64」製作委員会 
【PJニュース 2012年1月26日】冗長である。しかし、それは物語全体ののどかさと受け止めよう。ベタである。紋切り型の筋運びだし、背負い投げもうっちゃりもない予定調和の二時間半。けれども、テレビ草創期の多くのドラマはほとんどがそうした類いのものであったし、われわれは、それらをそうとよく了解していていくつもの「テレビドラマ」に夢中になってきた。往時のそうしたドラマの劇場版と位置づけよう。
公開前から多くに期待されている「ALWAYS 三丁目の夕日'64」(山崎貴監督東宝配給)が21日から全国公開となった。
このシリーズは、最新鋭の映画技術を駆使して、ノスタルジックなドラマを創り上げるというコンセプトでシリーズ化され、1作目では高速道の架かっていない日本橋、2作目では羽田空港の様子など懐かしい風景が精妙に再現され、観る者の昔年を懐かしむ心を大いに刺激し続けてきた。
今回の設定は東京オリンピック開催年の昭和39年、1964年の10月10日前後。司馬遼太郎が『坂の上の雲』で描いた明治期以上に、国民みんなが上を向き、明日に希望を持って日々をひたむきに積み上げていた時代。 坂本九の『上を向いて歩こう』が大ヒットとなりアメリカにも渡ってビルボードのチャートに入ったのが、この前年である。 その後長らく体育に日として大切にされ続けたその日は、日本の所謂「右肩上がり」の機運を最もよく象徴する瞬間だろう。
開業したばかりの新幹線は夢の超特急と呼ばれ、所得倍増が少しずつ現実のものとなっていた。日々の生活と、そこにある日常の道具が一新、追加を重ねて、素朴で単純な喜びに溢れていた。苦労はいつか報われる、そう信じることのできる時間と空間とがそこかしこにひしめき合っていた毎日。それが日常だった。
観る側の期待が大きくならないはずがない。
映画はすっかりお馴染みの登場人物たちを配し、その日常を丁寧に描いているだけである。物語として画期的なものがあるわけではない。それでも、先行き暗澹たる現況だからこそ、今となってはお伽噺のようなあの過ぎた日々がそのまま抒情味溢れるドラマとなるのだ。
シリーズ初の3D上映。さりげない細工に遊び心満載ではあるが、懐かしさが大きく膨らんでいるためだろうか、立体的であることは、それほどの魅力にはなっていない印象である。2Dでも十分楽しめる。
期待をいささかも裏切ることなく、安心して観ていられる、となれば本作品のスマッシュヒットは確実。家族揃って楽しめる娯楽映画である、とありきたりだが、決まり文句を添えておく。
作品の詳細、劇場情報等は公式サイトで。
http://www.always3.jp/
【了】
■関連情報
PJニュースは一般市民からパブリック・ジャーナリスト(PJ:市民記者)を募り、市民主体型のジャーナリズムを目指すパブリック・メディアです。身近な話題から政治論議までニュースやオピニオンを幅広く提供しています。
PJ募集中!みなさんもPJに登録して身の丈にあったニュースや多くの人に伝えたいオピニオンをパブリックに伝えてみませんか。
【PR】有名レストラン50%引き?クーポン情報をまとめて掲載!「グルーポンなう!」

