PJ: 多岐 太宿
JFL第3節、ゴールを待ちながら=松本山雅FCの闘争
2010年03月31日 07:45 JST
再三ドリブル突破でチャンスを作り出した木島徹也。初ゴールは次に持ち越し。(撮影:多岐太宿、3月27日) 
【PJニュース 2010年3月31日】前半は横河武蔵野、後半は松本山雅のゲームだった。これは、シュート数(前半・武蔵野8本、松本4本。後半・武蔵野4本、松本11本)がその証左だ。
この2試合、JFLという新たな舞台に戸惑う部分も多く、対戦相手のクラブよりも判断スピードが一呼吸遅れていた。ほんの僅かな遅れであったが、90分間を通すとチーム全体の歯車を大きく狂わせていた。個人能力で大きな差はなくとも、そのギャップを埋めるにはもう少し時間がかかるだろう、と筆者は思っていた。
しかし、ピッチ上の選手たちは前節までに比べると遥かに自分を表現することが出来ていた。その要因の一つに中盤の構成があげられる。右SHに木村勝太、左SHに大西康平。ドイスボランチには北村隆二と斎藤智閣。昨シーズンの好調時のメンバー構成に『戻ってきた』。
「まず一枚は守備に計算の出来る選手を起用した」と吉澤英生監督がその意図を説明するように、斎藤の守備力はJFLの舞台でも大きな武器となった。前半こそやや硬さも見られたが、時間を追うごとにその豊富な運動量で武蔵野の攻撃の芽を事前に摘み取る。「やることははっきりしていた。コミュニケーションもとれているのでやりやすい」(斎藤)と言うように、このメンバーは連携面においては一日の長がある。
だが両チームともゴールが遠かった。横河武蔵野の依田博樹監督が「(松本の)2トップが脅威だった。個の能力が高い」と語ったように、柿本倫明と木島徹也の2トップがそれぞれ持ち味を生かし、好機を演出する。特に木島はそのドリブル突破で再三、武蔵野守備陣を混乱に陥れる。しかし決めきれない。「前半から決定的なチャンスが幾つかあった」(柿本)、「惜しいシーンを決めていかないといけない」(木島)、「決めきれないと、逆に負けていたかも知れない」(石田祐樹)と、攻撃陣からはフィニッシュの精度への反省が口をつく。
0-0のまま後半も過ぎていく。アウェイゲームでこのまま勝ち点1を得るために守備的に試合を展開していくのも間違いではない。しかし内容では明らかに押しているだけに勝てるものなら勝ちたい。ゲームがこう着すればするほど、ベンチワークが鍵を握る。さあどうするか。
吉澤監督は、石田・小林陽介・今井昌太とアタッカーを次々と投入。「点を取るために個で突破出来る選手を入れた」(吉澤監督)。そして、その今井が後半ロスタイムに劇的な初得点。昨シーズン2位の武蔵野を相手にドラマチックなJFL初勝利を飾った。
試合後、今井の表情は晴れやかだった。「陽介さんが身体を張ってくれて、いいところにこぼれていたので決めてやろうと思った。咄嗟だったがサイドネットを狙っていた」。ふかすことなく冷静に流し込んだ今井も見事なら、無失点に抑えた守備陣、采配の当たった吉澤監督も見事。まだまだ苦しい戦いは続く。この勝利が次節以降の成功を保証するものではない。しかし間違いなく今後の糧となるはずである。
最後に、「会社の研修で選手が4人ほど甲府に行っている。『良い競争』は出来ていない」としながらも、巧みなパスワークで再三危険な場面を生み出した横河武蔵野FCと依田博樹監督に敬意を表したい。パズルのピースが全て集まった時、このチームはどんな姿を見せるのか。アルウィンでの再戦を待とう。
■試合結果
2010年 JFL前期 第3節(3月27日)
横河武蔵野FC 0-1 松本山雅FC
得点:90+4分、今井昌太(松本)
■筆者が選ぶ、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)
今井昌太(松本):好守の原裕晃、中盤で奮闘した斎藤も高評価ながら、プレイ時間は短く消えている場面もあったものの、記念すべきJFLチーム初ゴールの今井をMOMに。
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