PJ: 大谷 憲史
JANJANが休刊、がんばれ!PJニュース
2010年03月02日 08:32 JST
3月31日をもって休刊を決めたJanJanニュース(キャプチャ画像 作成:大谷憲史) 
【PJニュース 2010年3月1日】3月1日、2003年2月に創刊した市民メディアJANJANが、3月31日をもって休刊することを発表した。日本インターネット新聞株式会社(以下、JANJAN)は、関連する一連のサイトである「JanJanニュース」「ザ・選挙〜JANJAN全国政治家データベース」などを、3月31日をもって暫時休刊が、JanJanニュースについては、記事の動画の閲覧はできないが、記事は4月1日以降も閲覧できるとのことである。
JanJanニュース「『JANJAN』休刊のお知らせ」によると、暫時休刊の理由は以下のとおりである。
【第1】急激な広告収入の落ち込みにより社業を支えるだけの収入の見通しが立たなくなった
ビジネスとしての「市民メディア」は、オーマイニュース日本版の例を見るまでもなく、ビジネスモデルが確立できないのではないかと言われてきた。ツカサ都心開発が運営していた「ツカサネット新聞」も、2009年11月末日をもって一時休刊となった。
JANJANは富士ソフトから、ツカサネットはツカサグループからの支援でなんとかやっていたようだが、それ以外の広告主を探すことが難しかったのだろう。JANJANの休刊のお知らせにも、「(広告主探しは)この不況下でいまのところは困難を極めており」とあり、明確な見通しが立つまでの間は休業すべきと判断したということである。資金のめどが立たなければ、事業が継続できないのは当然のことである。
【第2】IT技術の急速な発展を見せる中で、JANJANのWebサイトシステムは時代遅れになった
この理由は理由になっていない。休刊のお知らせでは、BlogやSNS、Twitterのことが取り上げられているが、JANJANにもブログサービスやSNSは存在していた。いちおう、IT技術をサイトに取り入れ、市民記者の利便性を図るような取り組みは行ってきた。
JANJANのシステムが時代遅れになったというよりは、先端のIT技術を駆使したシステムを構築できる人材や、新しい技術を使ったコンテンツを開発する人材がいなかったのであろう。休刊のお知らせには、「新しい技術を取り入れたシステムに更新する必要があり、そのためには、この際、ひと休みして新たな構想を練る時間を取りたい」とあるが、JANJANだけで新しい技術を開発することは難しく、開発するにしても、やはり、資金がネックとなる。
新しいIT技術を導入しても、インターネット新聞の生命線である記事の質が悪ければ、何にもならない。目先だけの技術ではなく、記事の質を上げていくような市民記者の育成に力を入れるべきではないだろうか。
【第3】政権交代で記者クラブの解放が進み、市民メディアとしての目標がひとまず達成されたこと
果たして、それで終わってしまっても良いのだろうか。
市民メディアは、時の権力者の監視役として、政権が変わろうとも、記者クラブの解放が進もうとも、常に情報を発信し続けなければならない。
休刊のお知らせでは、「マスコミ側も市民の投稿やブログとの連携を重視する傾向が顕著になってきた」と書かれているが、結局、JANJANは一般市民やブログに負けてしまった。これは市民メディアとしてのJANJANの敗北宣言なのだろうか。
政権交代で、中央省庁の記者クラブの解放が進んだことは、「市民メディア」が認知されたということではなく、JANJANの所期の目的は、まだ何も達成されてはいないのである。
確かに、「ザ・選挙〜JANJAN全国政治家データベース」のように、ある程度の評価を得たものもあるが、それもすべて資金面がネックとなっている。休刊のお知らせで、竹内謙・代表取締役社長は、この7年余りに蓄積してきた5万本の記事と20万人の政治家情報を基にして、JANJANが取り組んできた事業を継続・発展させたいという意思がある方があれば相談していただきたいと、述べている。
理由をいくつ述べようが、資金がなければ何も始まらないのは当然のことである。
しかし、これまでに私は、オーマイニュース日本版、ツカサネット新聞、JanJanニュース、PJニュースと、市民メディアを渡り歩いているが、どこも「市民記者の育成」という面では弱いものがある。市民メディアの運営に関して、「プロの記者やライターに頼むよりも、一般市民が書いた記事ならコストはかからない」という意識が働いているうちは、ビジネスモデルとしての「市民メディア」は確立されないだろう。
私は教員を経験しているが、人を育てる大変さを知っている。しかし、人に金をかけなければ良い人材は育たない。今はインターネットがあり、e-ラーニングなどで学習することができる。何も新しいIT技術を開発・構築しなくとも、既存のシステムを有効に活用すれば、人材育成も可能であろう。
今後、市民メディアの唯一の財産である「市民記者」を育てていこうとする市民メディアの出現を期待したいところである。
がんばれ! PJニュース【了】
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○『JANJAN』休刊のお知らせ
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