PJ: 三田 典玄
モバイルは「無線LAN」付きがいい(下)
2010年07月22日 08:13 JST
左がEye-Fi。右が通常のSD(SDHC)メモリカード。形状は全く同じだ。(撮影:三田典玄) 
【PJニュース 2010年7月22日】「モバイル無線LAN」は、市民記者の活動やプロのジャーナリストの活動にも多くのメリットをもたらす。最近流行りのUstreamなどのリアルタイムで動画映像が送れるサービスを使うことをまず考えることが多いだろうが、これだけであれば、他のモバイルと変わりない。実は他にも面白い使い方がある。
Eye-Fiと呼ばれる製品をご存じだろうか?この製品は、最近のデジカメで標準的に使われているSD(SDHC)メモリカードのカタチをしているが、メモリだけではなく、その小さなカードの中に無線LAN機能を持っている。
このメモリカードを入れたデジカメで撮影すると、無線LANの電波が届いていてインターネットに接続されている範囲では、メモリカード内にあるCPUが勝手にインターネットに接続し、今撮った写真をEye-Fiのセンター経由で、自宅のPCのハードディスクに入れてくれる。しかし、無線LANの電波が届く範囲にいなければ、無線LANの届く範囲に入ったときにその動作を勝手にしてくれる。また職場や自宅のPCの電源が入っていなくても、Eye-Fiのセンターに画像をとっておいてくれ、PCの電源を入れたときに、その画像をPCに自動的に入れてくれる。
いま、公園で撮った写真が自宅、あるいは会社に戻ったとたんに、あなたのPCに勝手に入っている、というわけだ。ただ、遠隔地に出向いたときは、メモリカードの中に写真が残ったままで、自宅の無線LANの電波が届く範囲に帰るまでPCに画像が入らない、ということだと、帰ってメモリカードを直接PCに差し替えるのと、そんなに変わらない。手間が少々省ける、ということでしかない。
しかし「モバイル無線LAN」をこれに組み合わせれば、遠隔地で撮った写真が「いま、このときに」勝手に自宅や職場のPCに入る、ということになる。しかも転送が終った写真はその場でメモリカードから自動的に消去してくれる。そのため、何枚でも写真が撮れる。また、Flickrなどの写真投稿サイトに自動で画像をアップしてくれる機能もある。もっとも、失敗した写真をたくさんアップすることになっては恥ずかしい。やはり前者のような使い方が良いだろう。
たとえば激しいデモなどの取材では、小競り合いの中でデジカメを落として壊したり、あるいは撮影したカメラを壊されたり取られたりする、などという危ない場面もあるかも知れない。しかし「デジカメ+Eye-Fi+モバイル無線LAN」の組み合わせであれば、大切な画像はその場で本社に送ることができ、守ることができるだろう。そういう場面はそうそう多くはないと思うし、実際にPJもあったことはないが「もしも」のときに役に立つだろうと考えられる。
しかも、通信機器は外部アンテナもなくポケットに入るサイズで小さくて目立たない。カメラにもそれらしい付属機器がついているようには見えない。その場で撮影しているところを見る人は、まさか撮った写真がその場で全く別の場所に転送されているとは思いもよらないことだろう。まさにジャーナリスト向けのモバイル撮影システムである。
しかも最近のデジカメはきれいな動画が撮れる。この動画もEye-Fiが自宅や職場のPCに勝手に送ってくれる。また、Eye-Fiには目の前の無線LANを持ったPCに画像を直接送る、という機能を持つ機種もあり、これも使えそうだ。
モバイルは市民記者やプロの記者の記事送稿などに強力なツールとなるだけではなく、こういった画像のリアルタイムな転送にも使える。【了】
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