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PJ: 三田 典玄

JR福知山線脱線事故:忘れえぬ一瞬
2009年09月28日 08:10 JST

【PJニュース 2009年9月28日】このところ、2005年に一瞬にして107人の死者を出したJR福知山線の脱線事故の調査委員会の情報漏えいの問題が多く報道されている。この事故についての報道を聞くたび、PJは思い出す一瞬がある。

2005年4月25日。その頃のPJの職場は大阪にあり、PJは毎週末に東京の自宅に帰り、月曜日の朝一番の羽田発大阪伊丹行きの飛行機に乗って職場に向かっていた。そこから一週間の仕事が始まるのだ。その日の朝も、いつも通り羽田発のJAL101便で伊丹に着いた。伊丹着が定刻で午前7時半ちょうど。いつも仕事の始まりの時間までには少々時間があったので、その日はちょっと遠回りをして行くことにした。

実はその前年も大阪の別の職場で仕事をしていて、そのときよく乗っていた阪急、あるいはJRを思い出し「ちょっと乗って行ってみるか」という気になったのだ。もちろん、伊丹空港から梅田までは直行のバスがある(モノレールもあるが、これは梅田までは遠回りだ)。これに乗ると、渋滞があっても小一時間で梅田に到着するのだが、この日はなぜかいつものそのコースをとらずに行くことにした。

伊丹空港からJR、あるいは阪急の伊丹の駅までは市バスがあって、これで30分ほどかかる。同じ「伊丹」と名前がつくところではあるのだがけっこう離れている。それでも、PJはバスからみえる風景が好きで、時間の余裕があるとよくバスに乗る。空港で出てくる荷物を待って、軽い食事をしてからゆっくりと歩いて市バスの乗り場に着き、バスに乗り込む。そして、今日は阪急で行くか、JRで行くか?と考えていたのだが、その日はJRで行くことにした。

バスはJR伊丹に着いてから阪急伊丹の駅まで行くのだが、私はつい居眠りをしてJR伊丹駅を通り過ぎてしまい、結局考えていたのとは違って阪急伊丹から梅田に向かうことになった。

職場についてしばらくすると、誰かが「なんか大きな事故があったらしいぞ」とテレビの報道を見始めた。すると、そこにはヘリコプターからJR福知山線の脱線事故の映像が映しだされていたのだ。もちろんネットのニュースもチェックした。しばらくその画面を見ていたのだが、あっ、と思って気がついた。もしかしたら、あとのき市バスの中で居眠りしていなければ、あの列車に自分は乗っていた可能性があったのだ、ということに。

そう思うと、一瞬血の気が引いた。今でも鮮明に思い出す一瞬だ。しかしそれは一瞬のことで、すぐに仕事に頭を切り替えた。また一週間が始まった。

「人生は紙一重」とよく言われるが、思い返せばそういう一瞬は自分の人生にも何度かあったように思う。あの「居眠り」がなかったならば、私は今ここに生きていなかったかもしれない。そう思うと、このことを思い出すたび、人生とはわからないものだな、という思いを新たにする。神はいかにして生者と死者を分けるのだろうか?

あれから既に4年がたつ。あのときの犠牲者の皆さまの冥福を、あらためてお祈りする。【了】

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