PJ: 安島 洋平
「移設先はあくまでゼロベース」と岡田外相、普天間基地移設問題で強調
2010年02月03日 10:54 JST
2日、記者会見を行う岡田外相(撮影:安島洋平、2月2日) 
【PJニュース 2010年2月3日】日米両政府は2日、外務省において日米安全保障高級事務レベル協議(SSC)を開き、日米同盟の深化に向けた具体的な協議を行った。
この協議では、米軍による協力をはじめ、災害支援などさまざまな分野での協力について協議し合意を見たものの、両国間で焦点となっている普天間基地移設問題については依然合意を見ることなく推移している状況にある。
同日、行われた岡田外相の記者会見では、SSCに出席したキャンベル国務次官補があくまで現行案を強調する一方、もうひとつの案について耳を傾ける用意があるという発言があったという一部報道について、記者の中から事実関係を問われる質問があがった。岡田外相はキャンベル国務次官補の発言について「承知していない」としてそういった趣旨の発言はしていないのではないかという認識を示した。
政府はこの日までに、普天間基地の移設先を3月までに定めるとの方針を示しているが、岡田外相が1日、記者クラブ主催の講演の後で参加者の質問に対する回答の中で「あまり望ましいことではないが」と前置きしつつ、「普天間基地のままということもあり得る」と発言したとされ、これが先月28日の衆議院予算委員会で「普天間に戻ることない」と述べた鳩山首相の意向と食い違いを指摘する声や連立与党である社民党や国民新党から反発の意見もあがっている。
この点について、岡田外相は、「(移設しないという選択肢について)そうならないよう移設先を検討している」としながらもあれこれと注文をつける連立与党に対して「(沖縄普天間検討委員会の場で)しっかり提案を出して欲しい。あれはダメこれはダメでは決まらない」と反対するだけでなく具体策を示すよう連立与党に釘を刺した。岡田外相としては普天間の移設先は「あくまでゼロベースで検討している」、「あらゆる可能性がある」と強調しており、普天間基地移設問題で政権の判断の余地をできるだけ残しているということを印象づけたいようだ。
外相が普天間移設問題について連立与党に賛成反対だけではなく具体案を示すよう促したことは、これまで連立与党の意向を配慮した発言を繰り返してきた岡田外相にしては、かなり率直な発言だ。同日の会見で記者の岡田外相は「外相は生半可ではできない」とも発言しており、連立与党への率直な意見は、日米交渉の矢面に立つ当事者として外相の真剣な意志の表れともとれる。
会見中、岡田外相は普天間基地移設問題を抑止力と地元の基地負担両面から検討しており、米軍基地を日本から撤退させる選択肢については明確に否定し、社民党が求める県外や国外への移設の可能性を間接的ながら否定した。
今後、いよいよ大詰めに入る普天間基地移設問題。名護市長選で辺野古移設反対派の稲嶺進氏が当選した中で、鳩山政権として新たな基地の選定について地元とアメリカの相互の理解をどのように得ていくのか。普天間基地移設先の検討の最終結論を5月に控えた中で、鳩山政権の外交政策はいよいよ正念場を迎えようとしている。【了】
■関連情報
安島洋平(あじま・ようへい)1980年、東京都生まれ。公共政策大学院を経て、議員秘書、フリー記者となる。外務省記者会見登録(記者会見用アクセスパス取得、№GH-010)・金融庁第二記者会見登録。学生時代より海洋安全保障を研究し、不定期でレポート、オピニオン、ニュースを発信する。陸上自衛隊予備自衛官や地域の消防団員、自治体の区政改革懇談会委員も務め、戦略経営研究会運営委員、NPO法人日本危機管理学総研正会員としてシンクタンク活動も展開中。
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