PJ: 石川 信義
昔とんぼの旅日記-タイからラオス編(47)
2009年10月18日 07:00 JST
タイ・ナコンパノムの露店街。(画:石川信義) 
【PJニュース 2009年10月18日】ラオス その二。
北部山岳地帯は山深い奥地に小さな町が点在し、通り過ぎたあとの印象は、「深山幽谷」をさまよって来たみたいだ。寒くて震える日々だったから、ますますその印象が深い。幾つもの少数民族が、それぞれの文化をかたくなに保持しつつ、それぞれ奥深い山々に住んでいる。そういう所もこの地帯をちょっと魅力的な地域にしている。中国の雲南省も似たようなもんだろう。興味深い土地だ。
僕は、いつの日か、中国の雲南省から南へ下ってラオス入りをし、北部のてっぺんからビェンチャンまでの旅をしたいものだと、今度の旅であらためて思った。これは体力がまだ残っているうちに果たさねばならぬ。
北部に比べると、南部の印象はまったく異なる。
南部は、なんの変哲もない同じような町が存在しているだけで、町に個性がない。メコン川は幅が広くなって茫洋(ぼうよう)たる大河となるものの、その流れはどこで見ても似たか寄ったかだ。メコンに沈む夕陽には感動したが、それもどこでと決まったものでもあるまい。タケークで見ればそれで充分。そんなだから、今度の旅も、タケークまでで「もういいや」となった。多分、こんなだから南部に外国人旅行者が少ないのだろう。僕は、ビェンチャン以南、いやタイのナコンパノムですら、一人も外国人と出会わなかった。北部では行く先々、外人、外人でうんざりしたのに。【つづく】
■関連情報
石川信義(いしかわ・のぶよし):1930年、群馬県桐生市生まれ。海軍兵学校78期、旧制二高を経て、東京大学経済学部・医学部卒。学生時代は東京大学スキー山岳部所属。61年、第5次南極観測隊に参加。65年、東京大学カラコルム遠征隊の副隊長・登攀隊長。東京大学附属病院神経科、都立松沢病院勤務を経て、68年、群馬県太田市に三枚橋病院を創設し、日本初の完全開放の精神病院を実現した。以来、精神病院の自由・開放化、精神障害者の地域化(ノーマライゼーション)運動に尽力する。
著書に、『心病める人たち』岩波新書(1990年)、
href="http://books.livedoor.com/item/1754987">『鎮魂のカラコルム』岩波書店(2006年)、『開かれている病棟』(星和書店)など。
【むかしとんぼ】ムカシトンボ(昔蜻蛉)、学名Epiophlebia superstes。トンボ目・ムカシトンボ科のトンボ。体長約5センチ。春季、渓流で見られる。日本固有種。原始的なトンボの形をつたえ、生きている化石といわれる。日本以外では近縁種のヒマラヤムカシトンボ(Epiophlebia laidlawi)がヒマラヤ山脈周辺に分布するのみ。
石川信義ブログ『昔とんぼの旅日記』
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