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PJ: 石川 信義

昔とんぼの旅日記-タイからラオス編(41)
2009年10月12日 07:06 JST


国境の町、タイ・ナコンパノムからラオスを眺める。(画:石川信義) 

【PJニュース 2009年10月12日】1月の11日だ。

ひどく寝坊をした。明け方に寝入ったからだ。午後、ホテルをたった。今日はタイ領、対岸のナコンパノムに渡る。ラオスともとうとう今日でおさらばだ。

出入国は簡単で、アッという間にラオスを出て、渡し船に乗ったらもうタイへ入ってしまった。

ナコンパノムはそう大きな町ではなく、いわば田舎町なのだが、ラオスから出てきた僕の目にはこの町がえらい大都会のように映る。車やバイクや人が断然多くなった。

対岸のラオスから見えていた「グランドビュウ」というホテルへ入った。

ここの窓からは、昨日まで泊まっていた水色外壁のラオスのホテルが見える。その周辺にポツポツと民家が散在している。その向こうは、ミニバンビェンの山々の連なりだ。なかなかの眺めで、なるほど「グランドビュウ」の名だけある。1泊20ドル。部屋は広く、バスタブもあって、気に入った。

午後遅くに、ホテルの前庭でメコン川と対岸のラオスを描いた。河畔には赤や黄のブーゲンビリアの花が咲き誇っている。その横の小さな畑で二人の農夫がしゃがみこんで何やらを摘んでいた。ギラギラの太陽で、絵を描いている間、うなじ項がチリチリ灼(や)けていくのがわかった。

夜、町に出た。

町の中央部まで歩っていったら、移民局前のロータリーに小さな時計台が立っていた。この町に住みついたベトナム難民が建てたものだという。彼らはベトナムを逃れ、ラオスの山々を横断し、メコン川を渡河して此処(ここ)にやっとたどりついた。生命からがらだったから、この穏やかな土地にたどりついて、ほっと安心してそのまま住みついてしまったに違いない。

この夜は町をただやみくもに歩いた。小さい町とはいえ、ナコンパノムは歩きでがかなりある。店を一軒一軒覗(のぞ)きこんで歩いた。床屋もあればレストランもある。その横のオンボロ小屋はオートバイの修理屋、その横が眼鏡屋、向こうは靴屋。軒下では男たちがなにやら賭博をしている。屋台では一家が食事の最中だ。外国人の姿は一人も見かけない。

大通りの向こうに、ずらっと裸電球の列が見えた。きっと露店街だ。行ってみたら案の定そうだった。道の両側、ずらりと200メートルくらいにわたって食物の露店が並んでいる。こういう処が大好き人間の僕は、わくわくして屋台を見て回った。魚を焼く店、肉を売る店、お惣菜屋、うどん屋、お菓子屋、果物屋、なんでもござれだ。露店街は食物の匂いで充満している。旨(うま)そう。よし今夜はここで夕食だ。

鶏の足を炭火で焼いている店が美味しそう。一本買って食べたら、これが豪勢に旨い。もう一本!と追加して食べた。二本で30円。

タコ焼みたいのを焼いている店がある。一皿注文したが、中身は黄色いあんこだった。甘くて黄味がトロッとしている。これも結構。15個入ったお皿が10円。

メコンに居るのだから、魚も食べなくては。頭のでっかいボラみたいな魚の塩の串焼き、これも淡白で旨いものだ。一匹15円。

うどん屋さんも人で賑(にぎ)わっている。よし、これも試食だ。でも、あの臭い香草だけは御免だ。僕は手まねで、そいつをうどんに入れないでくれと注文した。レストランではこうはいかない。言っても通じなくて大抵入れてきてしまう。屋台はこの点がいい。香草を指さして、鼻をつまんで、手を横に振ってノオ、ノオで事足りる。ここのうどんも旨かった。一杯45円。

もう満腹だ。満ち足りた気分で露台街を離れた。【つづく】



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PJ 記者