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PJ: 小田 光康

「異常なし」、韓国・北朝鮮の軍事境界線の板門店(下)
2006年11月22日 10:50 JST


北朝鮮と韓国の分断の象徴とされる「帰らざる橋」。板門店で。(撮影:小田光康、11月16日) 

(中)からのつづき。板門店ツアーの最後に訪れるのが、軍事境界線の真ん中にある「帰らざる橋」だ。1953年の休戦以後、捕虜交換に使われた。その際、捕虜が南か北かへの行く先を決めてこの橋を渡れば、2度と元の方向に戻れないので、この名がつけられたという。 この橋は韓国映画「共同警備区域JSA」の舞台となったほどで、南北分断の象徴として知られている。

 この橋をバスの車内から見学した。あたりは地雷が多数、埋め込まれているという説明も受けた。ここから、国連の施設、キャンプ・キティーポークに引き返した。バスの中にいた米軍人は終始、にこやかな表情を絶やさなかった。そこで、先ほど提出した宣誓書が返却され、それを読み返した。北朝鮮側を「敵性の地域」と記してあった。北朝鮮は国連に加盟している。国連軍が作成した宣誓書には、加盟国が敵だと明示されていたのである。

 そのとき、隣の席にいたPJの山下さんがわたしに向かって「北朝鮮と韓国は仲がいいのに・・・」とつぶやいた。確かに、韓国は北朝鮮に対して太陽政策と称した融和策を敷いてきた。しかし、現実には今でも「戦争中」であり、中断しているだけなのである。「山下さん、韓国と北朝鮮はまだ戦争中なのですよ」と答えたあと、山下さんの言葉をかみしめる光景に出くわした。

 国連施設内に小さな売店がある。その中から日本語の大きな声が聞こえてきた。「ここでしか売っていない北朝鮮のおみやげがありますよ。日本へのおみやげにどうぞ、めずらしいですよ」。韓国人の店員が観光客に北朝鮮産の土産品を売り込んでいた。国連軍・米軍が建てたそまつな小屋の中で、北朝鮮という「敵性の地域」から来た物品を必死に宣伝する韓国人。それに群がる日本人。なんとも奇妙で皮肉な光景だった。北朝鮮の孤立と暴発が、箱庭の中に仕掛けられたギミック、あるいは演じられる喜劇だと映ったのは、わたしだけではないだろう。【了】

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PJ 記者