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PJ: 小田 光康

「小児向け抗エイズ薬の開発が必要」と看護士=国境なき医師団マラウイの活動で
2010年01月27日 10:07 JST


マラウイでの活動を報告する国境なき医師団の田岡佳子看護師。(撮影:小田光康、1月25日) 

【PJニュース 2010年1月27日】国境なき医師団(MSF)は1月25日、都内で世界の人道的危機の最新状況に関する報告会を開いた。MSFで活躍する田岡佳子看護師が、マラウイでのHIV/エイズ治療プログラムの活動について報告した。

国連などの調べによると2008年現在、世界で約3340万人がHIV/エイズに感染している。中でもアフリカのサハラ砂漠以南や南アジア・東南アジアでの罹患率が高い。エイズがこれら発展途上国の人々の命を奪うと共に、自立や発展の障害にもなっている。

1964年に英国から独立したマラウイは人口約1300万人で、とうもろこしやたばこの農業が主な産業。治安がいいが、最貧国の一つで、エイズ感染率が11.9%と最も高い国の一つだ。医師の数が国全体で266人と、1万人に対して1人以下の医療が行き届いていない状況。平均寿命は50歳と短い。

MSFはマラウイで2001年から人道的な医療援助活動を開始し、19人海外スタッフと278人の現地スタッフが活躍している。田岡さんは08年7月から09年1月まで、マラウイのHIV/エイズプロジェクトに参加した。

報告会で田岡さんはエイズ治療の問題点について、1)国際的な支援金の不足、
2)エイズと結核の二重感染と薬剤耐性、3)小児エイズと効果的な医療品の不足--の3点を挙げた。

金融危機など世界不況による影響で主な支援元の米国などからの支援金が減少しているうえ、援助現場では薬品が効かなくなる薬剤耐性の問題が深刻化しているという。その一方で、製薬会社が持つ特許の関係で、エイズの新薬の開発が遅延する問題が深刻化しているという。

田岡さんが活動していたマラウイ南部のチラズル地区の地元病院では、1カ月に約300人が抗エイズ治療を受けていたという。田岡さんは現地での医療活動について、「マラリア・結核・エイズがマラウイの三大疾患。来院患者の3-4割がエイズ罹患者だった。結核とエイズの二重感染で乾期には病院の床まで患者でいっっぱいになってしまう。女性は疾患してから比較的早く来院するが、男性は末期になってからが多い」と状況を説明した。

エイズ薬には20年の特許権がある。高価で貧困層は買えない現状が立ちはだかっている。また、利益見込めない小児エイズ薬の開発には薬剤会社は消極的だという。サハラ以南の国に約200万人の小児感染者がおり、半数が2歳未満で死亡している。

現地ではエイズの母子感染も深刻化している。田岡さんは「母子感染では適切な治療で90%が予防可能。小児のエイズ罹患は比較的少なかったが、重篤な症状になってから来院するケースが多かった。12月1日の「世界エイズデー』でイベントを開き、啓発活動をした」という。

田岡さんは現地での活動を振り返り、「現地スタッフら身近な人々がエイズに感染しいたことにはショックを受けた。エイズで若者の命がなくなっていくことを実感した。シャーマン的文化が残っているので、患者との信頼関係を築くことも必要だと感じた。MSFとマラウイ保健省との連携を促進させることが必要だ。また、薬価の引き下げが最優先課題。特許プールの仕組みを活用すること、小児向け抗エイズ薬の開発が重要」と強調した。【了】

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国境なき医師団

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