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PJ: 宮本 聰

海溝型巨大地震の予知は可能かー横浜で公開セミナー
2010年01月18日 07:28 JST


公開セミナーが開催された(独)海洋研究開発機構横浜研究所(撮影:宮本聰 2010年1月16日) 

【PJニュース 2010年1月18日】カリブ海にあるハイチで1月12日午後5時(日本時間13日午前7時)前、マグニチュード7.0の強い地震が起き、推定死者数が約5万人、30万人が家を失ったとみられています。地震国日本にあって、とても人ごととは思えません。

そんな折、独立行政法人海洋研究開発機構横浜研究所で「海溝型巨大地震への挑戦ー最新の地震研究と防災研究ー」と題して公開セミナーが催されました。ジャムステック(Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology:JAMSTEC )は、海洋に関する基盤的研究開発及び学術研究に関する協力等の業務を総合的に行っている機関です。研究所内には地球情報館も併設されています。

地震・津波、防災研究プロジェクトリーダー 金田義行氏から研究の経過と今後の防災について講演があり、地震に関心の深い市民およそ180人が熱心に聞き入りました。

「今後日本において最も危惧される地震は、東海・東南海・南海地震である。大きな津波を伴ったM8クラスの海溝型巨大地震はおよそ100年から150年間隔で繰り返し発生、東南海地震、南海地震からすでに60余年が経ち、次の東海地震・南海地震ならびに東海地震への備えは日本の地震防災にとって最大級の課題である」とのことです。

政府の地震調査研究本部(本部長:文部科学大臣)では、今後30年以内の地震発生確率を東海地震:87%、東南海地震:60〜70%、南海地震:50%程度と予測しています。金田氏は今後、東南海地震が引き金になって南海地震に続く連動性巨大地震が発生する可能性が大であると警鐘を鳴らしていました。

機構の地震・津波観測監視システムが4ヶ年計画(平成18年度から平成21年度)に基づき、東南海地震の想定震源域にあたる紀伊半島沖熊野灘に20箇所の観測点が設置されました。各観測点は高精度の地震計、水圧計(津波計)などで構成され、全ての観測点を海底ケーブルでつなぎ、平成22年度より広域かつ精度の高い連続観測が開始されるとのことです。地震の巣の精密なデータが送られてくることになります。

このプロジェクトでは、調査・観測研究、シュミレーション研究、防災・減災研究を行っていますが、その一環として監視システムが設置されたものです。20ヶ所もの観測点を結ぶのは世界でも始めてという話でした。

地震予測モデルの精度が高まり、「実際に役立つ地震予報(1分でも2分でも早く)」として活用できることを早期に実現して欲しいというのが万人の願いですが、現実はとてもそういった状況にはないようです。

質疑応答で、フロアから「短期予想が可能になるのはいつでしょうか?」という質問に、金子氏は「ピンポイントの地震予報はむり、また1カ月以内にどこで地震が起るといった予知はできない。現在はシステムの信頼性を高めることに全力を傾けている」との回答でした。こうした地道な努力がいつかは結実することを研究者に期待したいものです。

何10年という長いスパンの「予測」はできても、今日明日の身近な「予告」はできないというのが偽らざるところでしょう。現に世界で発生している大きな地震も発生前に予報がでたことはなく、地震が起きてから「津波がくるぞ、揺れが襲ってくるぞ」といったことしかできないのが現実です。

「地震がきたらどうするか」という視点から、各人が心とモノの準備をする以外に今有効な手立てはないと考えるべきです。私達は長い歴史経験から巨大地震は必ず起る自然現象であることを知っています。しかし現在においては、普段の心構えが命を守る唯一の方法と心得た方がよさそうです。【了】

■関連情報
独立行政法人海洋研究開発機構
http://www.jamstec.go.jp/j/

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PJ 記者