SakuraFinancialNews

PJ: 宮本 聰

大衆薬がコンビニの第二商材となりえるか
2009年11月23日 05:07 JST

【PJニュース 2009年11月23日】コンビニで大衆薬を販売しようとする動きが急だ。

セブンイレブン・ジャパン、ファミリーマート、ミニストップ、スリーエフなどのコンビニチェーンが、ドラッグストアを併設したり、取り扱いを開始している。まだ様子見だが、第二の商材として期待していることがわかる。将来プライベートブランド(PB)の薬を開発するなどとぶち上げているコンビニもある。

改正薬事法が2009年6月に施行され、対面販売を前提に比較的リスクの低いかぜ薬など第2類および第3類が登録販売員を配置することで販売できるようになった。大衆薬のコンビニ化は確実に今後進むものと考えられる。ただ既存の薬屋さんやドラッグストアとの熾烈(しれつ)な販売競争は避けて通れないだろう。

薬剤師不足を補うために苦肉の策として登場した「登録販売者制度」だが、養成に時間がかかり、いまだ本格的な導入には至っていない。高卒後、薬剤師または登録販売者の下で、月80時間・1年以上の実務訓練を受け、当該試験に合格すれば大衆薬の販売に携わることができる。有資格者のこれからの活躍を見守りたいと思う。くれぐれもお菓子やパン(消費財)を販売するのではないことを肝に銘じて欲しいものだ。

コンビニで大衆薬を販売する上でいくつか懸念材料がある。

◆廉価販売ができるのか

ドラッグストアに行って薬を手にするとわかるが、大衆薬はほとんど定価販売ではない。同じメーカーの薬でも販売店により値段が違う。ところがコンビニは定価販売を旨とする会社である。他のドラッグストアとどう競争するのだろうか。

◆製品の品揃えが十分できるのか

市販されている大衆薬は膨大な種類である。また錠剤ありハップ剤あり、飲み薬ありと多岐にわたる。POSにより在庫管理システムを導入するであろうが、製品の品揃えが十分できるのだろうか。品揃えをすればするほど期限切れのリスクが高まり、結果として過剰在庫による不良品の損金処理が大きな問題となる。

◆有効期限を守れるのか

医療用医薬品と違って、大衆薬には有効期限(エクスパイヤーデート)が明示されている。期限切れの薬を販売することはご法度だ。一定の有効期限を保持できるかで商売が決まる。「あのコンビニはいついっても有効期限切れ間近の薬を売っている」といった風評がたてば消費者はすぐにそっぽを向くだろう。

◆副作用情報を的確に提供できるのか

登録販売員は大衆薬の効能・用法を説明できることが最低限の任務だ。問題は副作用や飲み合わせ(薬の相互作用・禁忌)に関する情報を適切に提供できるかだ。インターネットが普及した現在、購入者は相応の薬の知識を持っている。なまじの説明では説得できないかもしれない。管理薬剤師のいる店舗は別として登録販売者のみのコンビニでどの程度の情報を提供できるかが見ものだ。

コンビニが大衆薬を販売できることで、消費者は大変便利になった。副作用が少ないといえ薬は薬、誤って飲めば何らかの異常をきたす。経済原則によってコンビニが商売に走りすぎ、薬の特殊性を忘れることがないよう切に望む。【了】

■関連情報
PJニュースは一般市民からパブリック・ジャーナリスト(PJ:市民記者)を募り、市民主体型のジャーナリズムを目指すパブリック・メディアです。身近な話題から政治論議までニュースやオピニオンを幅広く提供しています。

PJ募集中!みなさんもPJに登録して身の丈にあったニュースや多くの人に伝えたいオピニオンをパブリックに伝えてみませんか。



関連記事:
タグ:
pagetop

PJ 記者