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PJ: 宮本 聰

「終末医療における患者の権利は守られているか」日弁連でシンポ
2009年08月31日 15:11 JST


会場となった弁護士会館には200名もの人々が足を運んだ(撮影:宮本聰 2009年8月29日) 

【PJニュース 2009年8月31日】高齢者や判断能力が低下した人に対する、患者本人の意思を尊重した医療が行われているのだろうか。特に終末医療における患者の権利は守られているのだろうか。

8月29日(土)、日弁連主催の「必要な医療が欲しい! 看取(みと)り介護と終末医療」と題するシンポジウムが開かれた。会場となった弁護士会館(東京霞ヶ関)には、テーマに関心の深い約200人が集まった。

たとえ終末期になっても人間としての尊厳を維持し、必要な医療は受けたいという権利保障の観点から、看取り介護と終末医療の現状と課題について話し合われた。

最初に基調報告に立った田尻和子氏(弁護士 熊本県弁護士会)は、自らの体験を交え、『実際の介護現場における「看取り」といわれているものは、無駄な治療をせず自然の経過で死を迎えさせることであり、「延命治療の中止・差し控え」と同義であると言える。にもかかわらず「自然の看取り」という平穏で安らかな言葉のイメージから、適切な医学的判断もされず治療もしないことが自然の看取りという言葉にすりかえられ、終末期における安易な看取りがなされているのではないか』という問題提起がなされた。

的確な医学的判断や代理判断の手続的公平性や透明性が実現できてこそ、終末期における見取り介護により本当の意味の「納得できる死」が迎えられると結んだ。

箕岡真子氏(東京大学大学院客員研究員)は、シンポジウムの中で「同意無能力者の医療同意の問題」をとりあげ、事前指示書の有用性を説いた。事前指示(アドバンスディレクイブ)とは「意思能力が正常な人が、将来、判断能力を失った場合に備えて、治療に関する指示を、事前に与えておくこと」であり、その必要性を説いた。

事前指示は本人・家族・医療者を結ぶコミュニケーションツールであり、作成するプロセスそのものが3者の関係を密接なものとし、大きな効果が期待できる。

・患者にとっては、自己決定の権利の尊重

・家族にとっては、心理的苦悩・感情的苦悩の軽減

・医療従事者にとっては、法的責任の回避

小野幸代氏(緩和ケア認定看護師)から、訪問看護ステーション「くるめ」での実例紹介があった。同ステーションでは、事前指示書を「私の四つのお願い」と称し、導入によって相互の信頼関係やコミュニケーションが従来にも増して深まったとの話があった。また、精神的負担の軽減がはかられたことを強調された。

「私の四つのお願い」とは

・私の代わりに医療やケアに関する判断・決定をして欲しい人

・私が望む医療措置、望まない医療措置

・私の残された人生を快適に過ごし、充実したものにするために望むこと

・私の愛する人に伝えたいこと

実施に当たっては、単に事前指示書の用紙を渡すだけでなく、一緒に考えサポートすることが重要であると締めくくった。

高齢者になれば誰もが関心のある、終末期医療のあり方を考える有意なシンポジウムであった。【了】

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PJ 記者