PJ: 宮本 聰
究極のエコ?バイオトイレは普及するか
2009年07月07日 07:00 JST
旭山動物園にあるバイオトイレの説明パネル(撮影:宮本聰 2009年6月) 
【PJニュース 2009年7月7日】人間だれもが毎日利用するトイレ。使用した後多量の水を流し、し尿処理場に運ばれ24時間休むことなく処理が続いています。大きなイベント会場では、簡易トイレが数十基並べられることも珍しくありません。また、もしもの震災時、一番必要なものにトイレがあげられます。
北海道・旭山動物園に行った折、「バイオトイレ」なるものに遭遇しました。園内のあちこちに27基程が設置され、さまざまな試行が繰り返されており、利用者の評判も上々なようです。
バイオトイレは究極のエコ
美しい山や高原などで、トイレ付近でのし尿の匂(にお)いに思わず閉口することがあります。ところが、旭山動物園にあるバイオトイレは全く匂いがしません。便所の壁にはバイオトイレの構造と匂いのしない理由がパネル表示されていました。「ウンコが消える?」と書かれています。
バイオトイレは、水を使わずに微生物の力で糞尿を処理するトイレのことで、説明パネルによれば、そのしくみは以下の通りです。
人間の糞尿の成分のほとんどは水分で、糞尿は便座下の便槽内のおがくずに吸収されます。トイレ使用後、電動式スクリューで攪拌(かくはん)され、微生物の作用と適温により数時間で糞尿を水と二酸化炭素に分解します。臭いも殆ど発生せず、換気の設備も備えており、快適に利用できます。おがくずの交換は年に数回程度、取り出したおがくずは素手で触っても害はなく、有機肥料として再利用することができます。
海外ではかなり以前からし尿を分離し、大便は殺菌処理して土壌改良材に、尿は水で薄めて優良な液肥として使用しています。糞尿の再利用は、エコ社会にとって大きな朗報です。
用途は無尽に広がる
環境、介護、災害、動物のなどあらゆる場面での活用が考えられます。
山や海といった自然の中でのトイレ問題は深刻です。日本一の山富士山が登山者のトイレ公害で困っているといったニュースがありました。山や高原のトイレにげんなりした人も一人や二人ではないと思います。また介護の現場では、ポータブルトイレの処理に日々苦戦している人もいます。さらに深刻なのが地震災害時のトイレ問題です。トイレにできるだけ行かないようにと水分を控えたり、利用を我慢したりで健康をそこねる人もいる程です。
これら一般住宅、公衆トイレ、災害時トイレ、山岳トイレ等に大きな革命をもたらす可能性が大きいバイオトイレの普及が望まれます。家庭の食べ残しをバイオ技術で処理する装置は既に実用化されています。
性能向上と法整備がこれからの課題
バイオトイレは改良すべき点や課題がないわけではありません。攪拌(かくはん)モーターの電源確保、過剰使用防止策、し尿処理方法やおがくず交換など解決すべきことが残っています。さらに試行錯誤を重ね、製品として普及化することを期待したいものです。
現在各種の規制があり、どこにでも置けるわけではありません。バイオトイレの普及のためには、多くの方の理解と法律の整備が必要です。建築基準法上、下水道処理区域では水洗便所以外の便所は常設できないと定められています。自然循環型のバイオトイレが社会に認知される日がくることを待ちたいと思います。【了】
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