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PJ: 宮本 聰

定年延長と共に高齢者の雇用は促進されたのか
2009年02月08日 07:50 JST

国の高齢者雇用促進措置(定年引き上げ、継続雇用制度の導入、定年の定めの廃止)によって高齢者の雇用は本当に促進されたのだろうか。

 財団法人神奈川県雇用開発協会発行の『ハロープラザ 2009.1』によれば、「65歳までの高齢者雇用確保指導は着実に進展(2008年6月1日現在)」とある。確保措置の実施企業の割合95.7%、希望者全員が65歳まで働ける企業39.8%、さらに70歳までの確保措置13.3%となっている。今後も70歳まで働ける企業の普及・啓蒙活動に取り組むそうだ。

 指導により、再雇用制度の導入で65歳までとする企業が増え、60歳以降も職を確保できる人が確実に増えたことは事実である。またごく一部であるが定年制を撤廃した企業もある。

 ところが60歳で定年を迎えた団塊世代は、再就職したくとも蚊帳の外なのだ。また、昨今の大規模なリストラによって解雇された人々も同じである。高齢者にとって雇用機会が増え、ルンルンと思いきや「措置」はとられたが「実行」されているかと言えば甚だ疑問と言わざるを得ない。定年65歳という企業に再就職しようとしても厚い壁が立ち塞がっているのが現状である。

 例えばこうだ。63歳の人が定年65歳の企業の求人に応募したいと考え、窓口で応募手続きをしたところ、企業側の回答は「定年は確かに65歳ですが、定年まで5〜6年は働ける人を求めている。63歳という年齢ではちょっと難しい」として暗に応募を断られた。

 また、定年制なしの企業に65歳の人が応募しようとしたところ、「当社では60歳までの方の応募を希望しています」とはっきり断られたそうだ。企業は応募を拒否できないので、書類は受け取るだろうが、希望外の人が応募しても採用されることはまずない。

 企業の本音は別のところにあり(ターゲットエイジ)、制度導入の体裁を整えただけということを転職希望者は肝に銘じておく必要がある。

 再雇用者は善しとしても、転職者にとって60歳はまだしも、63歳を境にほとんどが職にありつけないという実態がそこにある。行政側には「措置指導」にとどまらず、「実行指導」を強化してもらいたいものだ。【了】

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