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PJ: 藤倉 善郎

「トシオフィスはホームオブハートと協力関係」=自己啓発セミナー被害で東京地裁が判決
2009年12月26日 10:00 JST


東京・千代田区の弁護士会館で行われた原告側の記者会見(撮影:藤倉善郎、12月25日) 

【PJニュース 2009年12月26日】12月25日、東京地方裁判所で、X JAPANのヴォーカルTOSHIが広告塔を務める自己啓発セミナー「ホームオブハート(HOH)」の被害者が関係者を相手どって提訴していた損害賠償請求訴訟の判決が言い渡された。判決で松井英隆裁判長は、被告が原告に対して行った勧誘などについて、「原告に誤信状態を生じさせ、その状態を維持する意図に基づく一連の行為であって、(原告がHOHに関わりを持ち始めた)平成11年9月の最初から全部違法な行為」と認定。原告に対して損害賠償約556万円を支払うよう、HOH関係者に命じた。

原告となった新潟県の女性の主張によれば、1999年(平成11年)に食事をしていたレストランの店長からTOSHIのコンサートを紹介されてコンサートに行き、感想を送ったところHOHからの勧誘を受けて自己啓発セミナーを受講。原告や家族の健康問題などを解消するためにはセミナー受講が必要だなどと誤信させられ、さらに多くのイベントへの参加や教材購入などを勧められた。トシオフィスのスタッフとして関わるようになり、事実上の出家生活に入ったが、最終的にセミナー代金やHOHの事業参加会員権の代金として計683万円を支払わされた。借金がかさんだため2003年に出家生活をやめ実家に戻ったが、同年、自己破産した。そのため、弁護士費用や慰謝料を加えた約1043万円を請求して、HOHや関係者らを提訴していた。

この裁判の被告は、株式会社ホームオブハートと同社の代表取締役2名、HOHの実質的指導者であるMASAYA(倉渕透氏)、TOSHIの音楽事務所である株式会社トシオフィス、同社代表取締役のTOSHI(出山利三氏)、その妻の出山香氏(現在WANKUとの名で活動中のアイドル歌手)。東京地裁は、このうちTOSHI以外の全員に連帯して損害賠償を行うよう命じた。TOSHIについては、「被告利三がセミナー等への勧誘を行っていたとは認められ」ないことなどを理由として、「責任を負うとは認められない」とした。しかしTOSHIが代表取締役を務めるトシオフィスについては、トシオフィスに所属する被告出山香氏の不法行為についての使用者責任を負うとした。また、「売り上げの一部を被告ホームオブハートに対して送金」「自らの社員研修として、被告ホームオブハートが開催するセミナーを利用」していたとして、「被告トシオフィスと被告ホームオブハートは協力関係にあった」と認定した。

原告の被害女性と代理人弁護士らは判決直後に記者会見を行い、TOSHI個人の責任が認められなかったことを理由に、控訴を表明した。

「裁判所が、HOHのスタッフによる勧誘からその他のプロジェクトへの誘いも、当初から全部違法とした点は評価できる。しかし、HOHにおけるTOSHIの責任に踏み込んでいない判決だ。控訴審ではっきりさせたい」(山口貴士弁護士)

「原告の実損額と同等に近い額の賠償が認められ、(勧誘された初期に)原告が訪れたHOHの美術館の入館料1500円や、当時東京にあった関連施設に原告が新潟から通った交通費も含まれている。自己啓発セミナーの被害をめぐる賠償請求の判決は前例がなく、ほぼいい判決と言える。トシオフィスの責任は認められているので、(TOSHI個人の責任についても、二審で)事実認定をしっかりやってもらえれば大丈夫だと思う」(紀藤正樹弁護士)

原告の女性は、涙をにじませながら、これまでの一審を振り返った。

「裁判を通して、思い出したくないつらいことも頑張って証言してきました。(HOHメンバーである)子どもたちが(HOH側証人として)証言しているのを見るたびに、何とも言えない気持ちでした。私のような被害者をこれ以上出さないように願っています。私は当初、TOSHIの美しい歌や言葉に感動していた。そんな自分たちがどういうことをしていたのかを、TOSHI本人にも周りの人にもしっかり伝えられる裁判をしたい」

女性はトシオフィスのスタッフになった際、子どもを連れて出家生活に入っており、自己破産だけではなく離婚に追い込まれた。いまでも、子どもが聞いているところでTOSHIの歌が流れ始めると、ラジオなどのスイッチを消すという。

「TOSHIたちは、ヒーリングとか癒やしと言いながら、それを入り口にして入ってきた人々に、(癒やしとは)全く逆のことをしている」(紀藤弁護士)

HOHと被害者との間での裁判は、今回判決が出たものも含めてのべ9件。全てが係争中だ。さらに、2004年にHOHで発覚した児童虐待問題を報じた日本テレビを、HOH側が提訴している。TOSHI本人は、病気を理由に出廷を拒んでいる。【了】

■関連情報
HOHとToshi問題を考える会
やや日刊カルト新聞

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PJ 記者