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PJ: 藤倉 善郎

横浜でスタジオソルト公演開幕=『あの日僕だけが見られなかった夜光虫について』
2009年10月30日 09:33 JST


『あの日僕だけが見られなかった夜光虫について』(撮影:藤倉善郎、10月29日) 

【PJニュース 2009年10月30日】横浜の相鉄本多劇場で29日、劇団「studi salt(スタジオソルト)」の第12回公演『あの日僕だけが見られなかった夜光虫について』が初日を迎えた。横浜を中心に活動し年2回ペースで公演を行っている同劇団だが、前回第11回公演は劇団初となる東京公演だったため、地元横浜での公演はおよそ1年ぶり。

『あの日僕だけが〜』は、同劇団の作家・演出家の椎名泉水(しいな・いづみ)氏の書き下ろしで、1991年に佐賀県で起こった「同窓会大量殺人未遂事件」からヒントを得たストーリー。主人公が経営する海辺の飲食店に級友たちが集められ、思い出話に花を咲かせていたはずが、やがて微妙な空気に……。

ストーリーには、佐賀県の事件には登場しない「夜光虫」のエピソードが盛り込まれている。林間学校のとき、夜中に級友たちが宿舎を抜け出して海辺に夜光虫を見に行った際、主人公だけが誰からも誘われず、夜光虫を見られなかった。作中、主人公は同窓会で「ぼくはいまだに夜光虫を見ていない」と語る。

記者は縁あって、ソルトの第6回公演以降で舞台写真やチラシ写真を撮影させてもらっている。ソルトの芝居では、時折ストーリー設定に社会問題に絡む要素が盛り込まれる。第7回公演『7(なな)』では、保護した野良犬・迷子犬などを処分する動物保護センターの職員たちの日常を描き、第10回公演『中嶋正人』(再演)では、殺人を犯した死刑囚と刑務官の交流や関係者の思いを描いた。東京での第11回公演『天気のいい日はボラを釣る』は、川べりに住むホームレスたちの日常生活を軸としたストーリーだ。

しかし芝居の中に、社会批判や何かしらの主張が登場することはない。全体的に静かな雰囲気と緩やかなストーリー展開の中で、登場人物たちの人間関係や心情の変化を見せていく。芝居の主眼は社会問題や事件ではなく、飽くまでも人間ドラマ。それは今回の公演も同様で、最後には見る者に穏やかな満足感を与えてくれる。こう説明すると地味な劇団に思えるかもしれないが、実は1公演で1000人以上を動員する、横浜屈指の人気劇団である。

舞台写真を撮っている身としては、ソルトのこれまでの舞台セットの緻密さと大がかりさにも毎回驚かされる。今回の『あの日僕だけが〜』では、海辺の光景を作るため、なんと4トンもの砂を舞台に敷き詰めた。記者がゲネプロで見たその砂浜でのラストシーンは、劇団関係者から事前に聞いていた以上に圧巻だった。【了】

■関連情報
studio salt第12回公演
『あの日僕だけが見られなかった夜光虫について』(相鉄本多劇場提携公演)
作・演出:椎名泉水
10月29日(木)〜11月3日(祝・火)
相鉄本多劇場
助成:神奈川県/横浜市地域芸術文化活動支援事業助成(アスハマ)
後援:tvk(テレビ神奈川)

チケット料金【全席指定席】
[一般] 前売・当日共/3,000円
[学生割引] 前売・劇団扱いのみ/1,500円 (高校生以下・要学生証提示)

問合せ
studio salt スタジオソルト
http://www.studiosalt.net
TEL: 090-1773-2823 (スタジオソルト)

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