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PJ: 藤倉 善郎

X JAPAN・TOSHI出演のカルトコンサートに行ってみた
2009年10月20日 14:28 JST


ファンのサインに応じるTOSHIを撮影しようとしたら制止された。かつてはCDを購入したファンにだけ写真撮影を許していたが、今回はそれも禁止だった。(撮影:藤倉善郎、10月19日) 

【PJニュース 2009年10月20日】10月19日、東京・新宿文化センターで、「ヴァリアント・ユニヴァーシティ」主催の講演とコンサート「芸術、その無限のパワー」が開催された。「X JAPANのTOSHIがサイエントロジーとコラボ?」の()()でリポートした通り、国際的に問題視されるサイエントロジー教団の広告塔と、04年に児童虐待事件が発覚したカルト的自己啓発セミナー団体の広告塔がコラボレーション。両出演者がそれぞれが心酔する団体の指導者の発言をステージで紹介するという、かなり変わったコンサートだった。

会場の新宿文化センター大ホールに入ると、出演者であるピアニストのシプリアン・カツァリス氏(宗教団体「サイエントロジー」の信者で広告塔)のCD販売ブースとX JAPANのTOSHI(自己啓発セミナー団体「ホームオブハート」の広告塔)のブースがある。コンサートなら当然の光景だが、2つのブースに挟まれて、なぜかコラーゲンのサプリメントを販売しているブースがあった。

「これ、いくらですか?」(記者)

「通常1万2000円ですが、今日は特別に8500円です」(店員)

「ええっ! そんなにするんですか」(記者)

「こちらは100粒入りなんです。20粒入りの方は、通常2600円のところ今日は特別に1500円です」(店員)

販売者の株式会社アキノスは、コンサート主催者である「ヴァリアント・ユニヴァーシティ」の校長でありサイエントロジー信者である三輪有子氏が経営する会社。サイエントロジーの教祖L.ロン・ハバードが開発したというマネジメント・テクノロジーを使った「WISE経営コンサルタントの資格」をもつ。「ヴァリアント・ユニヴァーシティ」もハバードの教えに基づいた研修団体で、コンサート会場で客に配布されたチラシ類の中にはヴァリアントの「学校案内」も入っていた。

ホールに入ると、見渡したところ客の入りは7割程度か。空席が目立つが、収容数は1802席だから、7割もいれば決して少人数ではない。コンサートは3部構成でTOSHIの講演と演奏、カツァリス氏の講演と演奏、両者のコラボ演奏の順だ。冒頭のTOSHIは、いま自分がやっている音楽を「癒し系」だと語ったが、X JAPAN脱退に関連して「癒し」とはかけ離れたトークも。

「ぼくは97年、それまでやってきたX JAPANをやめたんです。それまでは脅迫されたり脅されたりしながらやらされたりして、非常にダーティな世界。当時、その曲を聴いて救われた、ぼくのプロデューサーMASAYAの音楽。それを歌いたいと思ったんです。当時ぼくはロックスターでしたから、抜けるというのはとても大変なことでした。ぼくを元に戻そうとする力が加わりました。そこには兄がいたり親がいたり、それに便乗する悪徳弁護士やダーティーなマスコミの人たち。いろんな輩たちがいて、そこでビジネスしてるんですね。そういう人たちにものすごいデッチアゲの『TOSHIはヘンなカルト宗教に洗脳されている』なんて、事実と全く関係ないことで、とことんやられました。そのときに、プロデューサーのMASAYAが『逆境こそチャンスだ。いまこそまっとうに生きるために頑張れよ』と言って、泥をかぶってくれた」(TOSHI)

MASAYAとは、TOSHIが広告塔を務める自己啓発セミナー「ホームオブハート(HOH)」の実質的指導者・倉渕透氏のこと。実はこの日の日中、2004年の「児童虐待事件」を報じた日本テレビをHOHが提訴した訴訟の証人尋問が行われていた。

「そこにはTOSHIも傍聴に来ていました。裁判所の前で見かけたのですが、大きなマスクとメガネをかけて、髪はボサボサ、服はヨレヨレ。とても芸能人の風貌には見えませんでした。表情もやつれていて、目に生気がなかった。法廷ではマスクをとり、証人尋問のために傍聴席にいたHOH幹部と並んで座っていました。そのとき尋問を受けていたのは、証人である日本テレビの記者。TOSHIはそれを無表情のまま見つめていました」(傍聴人)

その法廷からコンサート会場に「出勤」したせいで興奮していたのだろうか。曲の合間のトークでTOSHIは、「自分の足を引っ張る輩とは、(癒し系ではなく)ロックなTOSHIを見せて戦っていきたい」などと好戦的な態度も見せた。

一方のカツァリス氏は、曲の合間に手短に「音楽は無限。時間も無限です。2000年前にシキロスという作曲家が作った曲を演奏します。2000年前の人とコミュニケーションがとれるんです」などと語りつつ演奏。同時に、自らが信奉するサイエントロジーの教祖の教えをさりげなくアピールした。

「私は、音楽だけではなく芸術全般が、コミュニケーションの一番の手段だと考えています。『芸術とはコミュニケーションの質である』と語っています。私はそれに賛成します」(カツァリス氏)

終了後、会場を出てきた客に感想を聞いた。

「(カツァリス氏の演奏は)1人の手では弾けないような、まるでプロが2人で演奏しているような感じで、すごかった。今日はカツァリスさんとTOSHIさんの両方目当てでした。(主催者の)三輪さんの知人なので、三輪さんからコンサートのことを知った。サイエントロジーとの関係は知っていますが、私は信者ではありません」(32歳・整体師の男性)

サイエントロジーのことを全く知らない客もいた。

「サイエントロジー? 知りません。TOSHIさんの問題は、テレビでちょっと見たことがあります。このコンサートを知ったのは、私が勤める会社に(チケットを売る)飛び込み営業みたいな人が来たから」(39歳・会社員の女性)

会社に飛び込み営業でチケットを売りにくるとは。徹頭徹尾、「変わったコンサート」だった。【了】

■関連情報
やや日刊カルト新聞
サイエントロジー・ビデオチャンネル
ヴァリアント・ユニヴァーシティ
ホームオブハートとToshi問題を考える会

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