PJ: 藤倉 善郎
ドクター・中松はクリスチャン?=幸福実現党特別代表に聞く(下)
2009年10月02日 07:00 JST
研究所「ドクター・中松ハウス」で(撮影:藤倉善郎、9月15日) 
【PJニュース 2009年10月2日】(
上)幸福実現党特別代表として先の衆院選に出馬したドクター・中松教授。公示後第一声の街頭演説を取材した際、記者は、ドクターが有権者に対して「自分はクリスチャン」と語る場面に居合わせた。ドクター・中松は、特別代表就任の際、公式ブログで自分が幸福の科学の信者ではないことを表明している。では、本当にクリスチャンなのだろうか。
8月18日、東京・新宿駅西口での街頭演説を終えたドクター・中松は、選挙カーを降り、歩道で有権者たちと握手。その際、ひとりの青年が握手を求めてきた。すかさず選挙のスタッフが青年に近寄り、チラシを手渡そうとした。
「あ、ぼくクリスチャンなんで、チラシはいらないです」(青年)
「ぼくもクリスチャンだよ」(ドクター・中松)
「え〜っ! ほんとですか? ダメじゃないですか、クリスチャンがこんなことして……」(青年)
「ダメじゃないよ、自由なんだから。」(ドクター・中松)
ドクター・中松が立ち去った後、あっけに取られている青年に、再び選挙スタッフがチラシを渡そうとする。
「いや、いりません」(青年)
幸福実現党の母体である幸福の科学は、教祖・大川隆法総裁が「仏陀の生まれ変わり」を自称している宗教団体。クリスチャンの青年が違和感を抱くのも当然だろう。だが、そもそも本当にドクター・中松はクリスチャンなのか。選挙後、直接ご本人に尋ねてみた。
─本当にクリスチャンなんですか?
「クリスチャンの定義にもよるんだけど、ぼくが行っていた幼稚園は教会に付属していたんです。それから、東京大学に入学する前、青年時代にクリスチャン・サイエンスのユース・フォーラム(青年部)の新聞『ブリッジビルダー』の発刊と編集長をやった。このユース・フォーラムのメンバーは、ほとんど全員が東大で、後に大使や銀行頭取や朝日新聞編集員になった人が所属していた。『ブリッジビルダー』の編集員には『クリスチャン・サイエンス・モニター』紙の編集員もいて、同紙はは、ニューヨークタイムズやワシントンポストと並んで当時アメリカ3大紙とも言われていました。朝日新聞も提携していました。クリスチャン・サイエンスは、東京の麻布に西町スクールという学校を作りました。いまは西町インターナショナルという名前ですが、私はその創立にも協力しました。そういう意味で、クリスチャンだと言ったんです。洗礼を受けたとか布教してましたというわけではないんですが、自分のこういう経歴があって、彼(前述の青年)がクリスチャンだというから、『ぼくもクリスチャンだ』と答えたんです」
─クリスチャン・サイエンスとは、どういう団体ですか?
「イエスが水の上を歩いたとか、モーゼが海を分けて逃げたとか、キリスト教の教えには科学では証明できない荒唐無稽(むけい)なものがあると私は認識しています。ところがクリスチャン・サイエンスは、そういったキリスト教の矛盾点を科学的に説明すると。そこで私は科学者として興味を持ったんです。幸福の科学の『科学』というのは、クリスチャン・サイエンスの『科学』と偶然重なりますね」
─ドクターの『お母様』を読ませていただきました(※ここに、キリスト教系幼稚園に通っていたエピソードがある)。
「ありがとうございます。私の母も父も、キリスト教には興味を持っていました」
─この本を読んでいると、初めて選挙に出ようとした際には周囲から反対されたと。
「家族は、いまでも反対してますよ。『名誉も地位もぜんぶ持ってる人が、どうして選挙に出るの』と」
─幸福実現党からの立候補については?
「大反対でした。家族からは、『選挙は好きにしていいけど、幸福実現党だけはやらないで』と言われました」
─どうしてですか?
「知りません。一般の人もそう考えているんじゃないですかね。しかし党の中には、大変優秀な人材が多くいる。彼らがその能力を、わが国のために存分に発揮できるようにすることが私の役割だと考えています」
─幸福実現党は政教分離原則に反するという指摘もあります。
「元来、政教分離という憲法は、占領軍が日本の国を弱体化するという目的で作られたもの。マッカーサーも『日本の軍隊は世界最強である』と言っていますが、その基本が靖国神社なんです。国のために自分の身をなげうって、みんな『靖国で会おう』と誓って、捕虜にならず死ぬまで戦った。この強さの基本をぶち破って、二度とアメリカに歯向かわなくするために、(政教分離原則を)憲法に入れたんです。それを流用して、ほかのことまで議論しているのが、いまの政教分離の議論。幸福実現党が政教分離かどうかとは全く次元が違う話です。政教分離を拡大解釈するのは自由だけど、本来の憲法の趣旨は靖国神社対策。政教分離なんて、アメリカでもアラブでも、どの国でも行われていません。
◇ ◇ ◇
なお幸福実現党は、9月16日に大川隆法氏の党総裁辞任や役員人事の刷新を行い、10月8日に告示される参議院補欠選挙(静岡・神奈川)への候補者擁立を表明している。ドクター・中松は引き続き党特別代表を務める。【了】
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