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PJ: 藤倉 善郎

岡田外相が「会見開放」の公約を実行=ネットメディアには課題も
2009年09月30日 07:05 JST


報道陣であふれかえった会場では、床に座って取材する記者も(撮影:藤倉善郎、9月29日) 

【PJニュース 2009年09月30日】岡田克也外相は29日の記者会見で、予告どおり取材を記者クラブ加盟社以外のメディアにも開放した。フリーランスやネットメディア関係者18人に加え、以前から取材が認められていた記者クラブ加盟社と外国人記者など計80人近くがつめかけた。外務省の広報担当者によれば、これは従来の2倍以上の数。立ち見や、床に座り込んで取材する記者の姿も見られるほどの“盛況ぶり”だった。

外相は、9月18日に「大臣会見に関する基本的な方針について」として、省内での定例記者会見を「原則として、すべてのメディアに開放する」とした。29日の会見で外相が説明したところによると、外務省の記者クラブである「霞クラブ」が取材開放について留保の申し入れを行っておきながら、その後明確な見解を示さなかったため、外相は当初の方針通り開放に踏み切ったという。また外相は、霞クラブから「(省内での会見のみになると)閣議後の取材機会が失われる」と指摘されていることに触れ、「短時間のぶら下がり取材には応じる」と語った。

「閣議後の会見は国会内で行われることが多いため、多くの方が取材できず事実上の制限をされる。閣議後のぶらさがり(取材)については、最低限のことはお答えしますが、基本的に本省での正式の記者会見でお話します」(岡田外相)

外務省での正式会見に重点を置いた上での会見開放であるため、記者クラブ加盟社による独占状態がより効果的に解消されそうだ。9月15日に鳩山首相の初会見の取材が開放されないことが確定して以降、「公約違反」との声も上がっていたが、岡田外相が先陣を切って公約を実行した。

会見後の質疑応答ではまず、読売新聞・毎日新聞の記者が沖縄の米軍・普天間基地問題に関する見解や方針を尋ねた。一方、フリーランスやネットメディアは、記者クラブ問題や会見開放に質問が集中した。

-会見の開放にあたって、記者クラブからの圧力はありませんでしたか。

外相「私は特に感じておりません」

-(会見の開放には)セキュリティーの問題とキャパシティーの問題があると思いますが、この2つの問題をどのようにクリアされたのか。

外相「今日もセキュリティチェックで不快な思いをされた方もいるかもしれません。しかし安定してくれば登録証を発給して(チェックに)代えたいとも思います。いずれにせよ試行錯誤ですし、現実的にオープン化が進んでいるのが外務省ですので、これがほかの役所にも伝わっていけばいいと思います」

通信社の記者たちは、会見開放や記者クラブ問題にはほとんど触れず、「東アジア共同体」構想など外交政策にかんする質問に徹した。意図的ではないかもしれないが、まるで外相への質問を通じて既得権メディアと新規参入メディアがけん制しあっているかのような空気が漂う。会見予定は約30分だったが、外相はギリギリまで時間を延長して質疑に応じた。

記者は、こんな質問をした。

-会見取材の条件のひとつとして、外相が「日本インターネット報道協会員」を選んだ理由は? また、これは少数のメディアしか加盟していない協会なので、大半のネットメディアは会見を取材できない。これでは開放が足りないと思うが、基準の見直しは考えていますか。

外相「選んだ理由は、一定の実績がある協会だからです。ほかに『こういう協会がある』ということがあれば、検討の俎上(そじょう)には上げたい」

-やはり協会単位ですか。メディアごとの検討は難しいでしょうか。

外相「セキュリティーの問題等を考えれば、無理だと思います」

会見取材は事前登録制で、登録資格は、日本新聞協会会員、日本民間放送連盟会員、日本雑誌協会会員、日本インターネット報道協会会員、日本外国特派員協会(FCCJ)会員及び外国記者登録証保持者。フリーランスについては、上記いずれかの団体に加盟するメディアで過去6カ月間に2本以上の署名記事を掲載していることが条件だ。PJニュースはどの協会にも加盟していないため、記者(藤倉)は雑誌での署名記事を「実績」して示して登録した。

日本インターネット報道協会は「公共ネットワークを利用した報道に関するコンテンツの品質向上と会員相互の交流」を目的として、2008年8月に設立。加盟メディアはJANJAN、J-CASTニュース、ビデオニュースなどほんの数社だ。岡田外相は「一定の実績がある協会」と語ったが、実際には活動実績は全くなく、公式サイトも見当たらない。協会事務局長の元木昌彦氏自身が、9月19日放送の朝日ニュースターの番組内で「ただ名称だけ」「ほとんど活動停止状態」と語っている。それでいて会費は年間12万円もするのだから、加盟メディアが少ないのも無理はない。

せっかく外相会見が開放されたのにネットメディアへの開放が不十分なのは、まともな業界団体が存在しないことが最大の原因かもしれない。【了】

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