SakuraFinancialNews

PJ: 藤倉 善郎

「聖地チベット」展への抗議デモと講演会=東京・上野
2009年09月22日 06:53 JST


御徒町駅前を行進する「チベットの真実を訴えるピースウォーク」。(撮影:藤倉善郎、9月19日) 

【PJニュース 2009年9月22日】9月19日、東京・上野の森美術館で開幕した「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」展の開幕にあわせて、抗議デモ「チベットの真実を訴えるピースウォーク」が開催された。主催は、同展の中止などを申し入れていた「IAATE(「聖地チベット 〜ポタラ宮と天空の至宝〜」展に抗議する国際連盟)日本有志の会」。チベットでの犠牲者の冥福を祈るため、参加者は黒と白の服装で、シュプレヒコールなしの静かな行進だった。

「聖地チベット」展は、19日から上野の森美術館で開幕したもので、18日の開会式では駐日中国大使の崔天凱氏が挨拶(あいさつ)で「中国は統一した多民族国家」「チベット文化は中国文化の重要な一部分」発言。会場内の展示パネルにも「中国は統一した多民族国家」との記載がある。また開会式当日の会場前で、主催者である大広の担当者が映画監督・楽真琴氏と在日チベット人に対して「チベット人というのは存在しない」などと暴言を吐き、チベット人や支援者の反感を買っている。

19日の抗議デモ「チベットの真実を訴えるピースウォーク」では、冒頭、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のラクパ・ツォコ代表が挨拶に立ち、チベット展の背景を説明した。

「いま上野の森の展示は、まるでチベットのためになるかのような言い方で開催されていますが、それは違う。平和的に反対の姿勢を私たちは訴えたい。チベットでは、もともと6000強のお寺がありましたが、そのほとんどが、中国のチベット侵略によって破壊されました。私たちチベット人にとってお寺は大学のような存在で、すべてを学ぶ場所です。中国はそのお寺を破壊して、お金には代えられない貴重な仏像などを盗みました。それを上海や香港を経由して世界中に流してきた。破壊を免れた9つくらいのお寺のうち、6つのお寺から持ち出された仏像が、2006年ごろからアメリカやヨーロッパで展示されてきました。そして中国がチベットを侵略して50年にあたる今年、日本で九州、札幌に続いて上野で展示されています」

主催者によれば集まった参加者は約150人。チベットでの犠牲者への追悼の意を込めて、めいめい白と黒の服装で集まった。1分間の黙とうの後、正午すぎに御徒町駅近くの公園をスタート。上野恩賜公園に向けて約30分間、行進した。デモでは、シュプレヒコールは一切なし。主催者がハンドマイクで「中国共産党は、6000を超える寺院を破壊し、膨大な仏像を破壊してきました。それなのに、侵略と略奪の事実を隠したまま、チベットの財宝を中国の世界中に展示しています」とアピールした。

午後からは、上野恩賜公園内の東京都美術館で、チベット芸術フォーラムが「シリーズ講演会 チベット芸術フォーラム 〜守りたい天空の至宝 聖地チベットを考える〜」を開催。東洋大学東洋学研究所客員研究員の田崎國彦氏が、「中国の侵略まで、チベットは独立国だった」として、歴史的な経緯を解説した。

「しかし(中国侵略以前の)チベットは国家承認を受けていなかったため、飽くまでも事実上独立国であったというのが、私の認識です。しかし日本もイギリスもインドも、国家承認しなかった。であれば、いま国家承認するという選択肢もある。いまのチベット亡命政府も正式な政府として国際社会は認めていない」(田崎氏)

「今回のチベット展は、見ることについては非常にありがたいと思っています。しかし展示されている仏像は何も言わないけれど、チベットが壊されてきた、殺されてきた風景を見つづけてきたのだろうと思います。その仏像の思いを想像しながら見なければいけないのではないか」(田崎氏)

講演会には約120人が参加。同フォーラムでは、「聖地チベット展」の期間中、こうした講演会をシリーズで開催していくとしている。【了】

■参考サイト
聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」展に抗議する国際連盟(IAATE)
チベット芸術フォーラム

■関連情報
PJニュースは一般市民からパブリック・ジャーナリスト(PJ:市民記者)を募り、市民主体型のジャーナリズムを目指すパブリック・メディアです。身近な話題から政治論議までニュースやオピニオンを幅広く提供しています。

PJ募集中!みなさんもPJに登録して身の丈にあったニュースや多くの人に伝えたいオピニオンをパブリックに伝えてみませんか。



関連記事:
タグ:
pagetop

PJ 記者