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PJ: 藤倉 善郎

佐々木俊尚氏はジャーナリズムの反面教師=公益性なき自称ジャーナリスト(下)
2009年08月26日 09:00 JST


「ITジャーナリスト」佐々木俊尚氏(PJニュース資料写真より作成) 

【PJニュース 2009年08月26日】(上)からのつづき。前回、自称ジャーナリスト・佐々木俊尚氏による報道の「可視化」言説がメディア音痴の幻想にすぎないことを説明した。ひきつづき、彼の「公益性という価値基準の欠如」を検証したい。

佐々木氏がオーマイニュースの内情を暴露した記事では、暴露することでなぜオーマイニュースがよくなるのかという具体的・現実的ビジョンは描かれていなかった(平野日出木さん、本当にそれでいいんですか?(上)(下)、『論座』2006年12月号)。佐々木氏はオーマイニュースの足を引っ張っただけで、暴露記事によってよくなった点は、これといってなかった。理屈上の実証性も、結果としての現実的実効力もなかったのである。

小田氏は、ルポライター・鎌田慧氏『自動車絶望工場』や朝日新聞記者・大熊一夫氏『ルポ・精神病棟』といった内部告発や潜入取材によるルポを例に挙げて、「彼らは原稿料といった私益と、広く世人を益する公益を天秤にかけ、これら潜入取材の内容には報道する価値があると判断して、これらのルポを世に送った」とし、そのことが、賛否両論がありつつもおおかたの評価を得た理由ではないか、としている。一方、理屈の上での妥当性も現実の上での実効力もない佐々木氏の暴露記事には、天秤の片方に乗せるべき「広く世人を益する公益」が見当たらない。

佐々木氏が小田氏との取材外のやりとりを無断掲載した文章にも、公益性は見出せない。要約すれば、「小田氏にインタビューを申し込んだら、いちどは断られたけど、自分がこう言ったら取材を受けてくれた」ということが、ただ書いてあるだけ(小田光康氏にインタビューした)。それを書くことにどんな意義や意図があるのか、全く記されていない。単なる楽屋ネタの垂れ流しである。

前述のトークイベントの直前、アメーバニュースがオーマイニュース元関係者 25日に「最後の炎上」開催という記事を掲載した。ここで佐々木氏のこんなコメントが紹介されている。

<私への非難や中傷はご自由にどうぞ。インターネットでは何を書こうと自由ですからね。>

佐々木氏は、小田氏によるインタビューの際にも、同じ発言を繰り返している。

<誹謗中傷も自由です。ただし度を超せば告訴告発なり民事訴訟なりに発展する可能性はあります。またそこまで行かなくても、内容のない非難や中傷を行えば、多くの人々から「こいつはバカじゃないのか」と判断されてしまう危険性があります。そういう可能性を認識したうえで、ご自由にご発言くださいと言っているのです。>(ネット時代の取材マナーとオーマイニュース終焉、ITジャーナリスト佐々木俊尚氏に聞く)

たとえ裁判にならなくても、他者を誹謗中傷する自由などあるはずがない。発言者自身が周囲からどう評価されるかも関係ない。誹謗中傷によって他者を傷つけることが問題なのである。たとえば名誉毀損については、裁判においてもメディア側の自主判断においても、公益性をもった真実を書いて初めて、その表現は「表現の自由」として守られるべき存在になるという考えが一般的である。誹謗中傷を自由だと言い切るのは、「公益性」という価値基準の欠落を宣言するのと同義である。

小田氏は一連の記事のひとつに「佐々木俊尚氏は「ジャーナリスト」なのだろうか・・・。」というタイトルをつけた。答えは明らかだ。「公益性」という価値基準を持ち合わせない人物を「ジャーナリスト」と呼ぶ必要はない。佐々木氏は、ジャーナリストを自称して何か別の商売をしている人だ。

ただし、佐々木氏には「ジャーナリズムとは何か」を考える上での反面教師としての価値はあるかもしれない。「ジャーナリスト」と「単なる自称ジャーナリスト」の違いを、身をもって私たちに教えてくれているのだから。彼の存在にもし公益性を見出せるとしたら、その点だろう。【了】

■関連情報
「記者クラブを盾」とウソを書いて他人を貶める「ITジャーナリスト」は誰だ!
佐々木俊尚氏は「ジャーナリスト」なのだろうか・・・。
ジャーナリストの倫理と内部告発-オーマイニュースを事例に(上)
ジャーナリストの倫理と内部告発-オーマイニュースを事例に(中)
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ネット時代の取材マナーとオーマイニュース終焉、ITジャーナリスト佐々木俊尚氏に聞く

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