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PJ: 藤倉 善郎

佐々木俊尚氏の「可視化」幻想=公益性なき自称ジャーナリスト(上)
2009年08月25日 17:44 JST


「ITジャーナリスト」佐々木俊尚氏(PJニュース資料写真より作成) 

【PJニュース 2009年08月25日】PJ小田光康氏が、ジャーナリスト・佐々木俊尚氏についての評論を連載している。(「記者クラブを盾」とウソを書いて他人を貶める「ITジャーナリスト」は誰だ!佐々木俊尚氏は「ジャーナリスト」なのだろうか・・・。)見ていると、佐々木氏にはジャーナリストとしての致命的な欠陥が見えてくる。彼が唱(とな)える報道の「可視化」言説の破たんと、「公益性という価値基準の欠如」である。

小田氏が一連の記事で指摘している問題のひとつに、佐々木氏がオーマイニュース編集部の内情を暴露した問題がある。その理由として、佐々木氏は編集プロセスの「可視化」を挙げている。

<『オーマイニュースの言論を高めていく』という私のミッションを遂行するためには、無理にでもその編集プロセスを可視化させ、外部からの批判を突きつけることしか方法はありませんでした>(オーマイニュースについて小田光康氏からの質問)

編集プロセスの「可視化」は、佐々木氏がオーマイニュースにかかわり始めた当初から繰り返している持論である(私がオーマイニュースに批判を書いた理由)。彼は、取材プロセスの「可視化」も主張する。

「マスメディアはどうすれば信頼を維持し、記事の正当性を保ち続けることができるのか。私は、そうした信頼性を支えるのは、取材の可視化しかないのではないかと考えている」(毎日新聞連載「ネット君臨」で考える取材の可視化問題)

やたらと「可視化」したがる佐々木氏だが、その「可視化」言説が幻想にすぎないことを、当の佐々木氏自身が実践的に証明してくれている。

今年の5月、東京・阿佐ヶ谷のロフトAでトークイベント「No more! OhmyNews 〜オーマイニュース消滅記念!(元)編集部発・最後の炎上大会〜」が開催された。私はこのイベントの企画者として、佐々木氏に「今後のほかの市民メディア・ネットメディアの参考になる形で整理するようなイベントにしたい」と趣旨を説明して出演を依頼したが、スケジュールの都合を理由に出演を断られた。

イベント終了後、佐々木氏はブログでこのイベントを「ふざけた名称のイベント」(オーマイニュースについて小田光康氏からの質問)と揶揄(やゆ)した。彼は事前にイベントの趣旨や目的を知っていたが、それは一切「可視化」しなかった。イベントの趣旨を知った上で記載せずタイトルのみをあげつらうのは、恣意(しい)的な印象操作以外の何ものでもない。読者に対する裏切り行為である。

報道の「可視化」は、取材交渉を含めたやりとりの全ての録音データを公表するなりしない限り、常に当事者によってフィルタリングされる。「可視化」する者の意図や、実際に「可視化」された内容に公益性があれば意義が生まれるが、逆に不誠実なフィルタリングが行われれば、意義を失うばかりか有害にすらなりうる。「可視化」すれば信頼性が向上するなどという佐々木氏の言説は、メディア音痴としか言いようがないほど、お粗末な幻想なのである。

しかも佐々木氏は、当事者が恣意的に「可視化」したりしなかったりできることを自ら実演して見せた。「可視化」信奉者である佐々木氏自らが、「可視化」と信頼性とが連動しないことを示すサンプルになってしまっているのである。既存マスコミの偏向報道や印象操作は、すでに多くの批判に晒(さら)されている。佐々木氏はその尻馬に乗ってマスコミを批判する一人だが、実は、やっていることはマスコミと変わらない。

しかしマスコミと佐々木氏とで、違う点もある。マスコミは、たとえ取材方法や報道内容に問題がある場合でも「報道の自由」や「国民の知る権利」を実現するという「公益性」を盾に言い訳をする。「公益性」が報道の最大の大義名分であることを自覚しているからだ。これと逆に佐々木氏の言動には、「公益性」という価値基準が欠落している。次回、その点を検証する。【つづく】

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