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PJ: 藤倉 善郎

カルト宗教対策「大学は部外専門家と連携を」=弁護士が関西学院大で講演(下)
2009年07月06日 06:51 JST


大学がカルト信者学生の保護者に連絡する際の留意点を語る、山口弁護士(撮影:藤倉善郎、6月25日) 

【PJニュース 2009年7月6日】(上)からのつづき。6月25日、関西学院大学内で、カルト宗教問題などに取り組む山口貴士弁護士が「キャンパス内における勧誘と信教の自由」と題して講演。大学におけるカルト対策を大学側の義務とした上で、具体的な対策を提示した。

「学内勧誘を大学が全面的に禁止するのは難しい」(山口弁護士)。信教の自由に対する過度の制約になるからだ。「原則としては自由」である以上、規制は飽くまでも例外的措置。民事裁判をめぐって、合同結婚式などの宗教行事も資金集めも勧誘も違法とする最高裁判決が出ている統一協会(統一協会)については、山口弁護士も「全面禁止が認められる例外かもしれない」と言う。しかし活動を禁止することによって、彼らがますます水面下に潜り、大学が実態を把握しにくくなる可能性もあるため、「禁止の有効性は疑問」(同)だ。加えて、「『カルト団体に注意』と呼びかけることにも、何も意味はない。カルトは『自分たちはカルトです』と名乗って勧誘したりはしません」(同)という。

「カルト問題は社会における生活習慣病のようなもので、根治はできないが放置もできない問題。大学がとりうる対策としては、学生の自衛能力を養う教育、相談窓口の設置、保護者への連絡、問題対処に関する教職員教育が考えられます。学生への教育としては、宗教的情操教育より知識教育や、どういった場合に教職員や専門家に相談すべきかという直観力を養う教育が重要。また、大学には、弁護士などからの問い合わせや助言に対して自己保身的対応をしないでほしい。大学も弁護士も、単体では問題を解決できません。大学同士、あるいは部外の専門家とも連携をとってほしい」(同)

講演後、主催者である関西学院大学の人権教育研究室副室長・舟木譲准教授に話を聞いた。

「関西学院大学でも、摂理信者の学生がいたことがかつて確認されています。しかし、どこまで信教の自由を認めるかということが、大学にとっては難しい問題。規制のための法的根拠や、各団体の具体的問題点、大学としての責任のとり方を学んでいきたいという意図で、今回の講演を企画しました」(舟木准教授)

大学のカルト問題がこれまで長く放置されてきたせいか、統一協会のように数十年前から活動する「老舗カルト」については、親がカルト信者である2世・3世の信者をめぐる新たな悩ましさも生まれている。

「親がカルト信者であるために子供も信者になっており、それが大学に入学して勧誘活動などをするケースもある。この場合、親に『お宅のお子さんが勧誘をしています』と連絡しても、『それが何か?』ということになってしまって、意味をなさないんです」(同)

関西学院に限らず全国の大学では、統一協会や摂理以外にも、創価学会、顕正会、親鸞会、韓国系キリスト教会、自己啓発セミナーなど、さまざまなカルト的集団が活動しており、団体によって勧誘方法や被害内容などが異なる場合もある。大学側には、特定の団体に対する勧誘禁止策より、あらゆる問題集団に柔軟に対処できる普遍的なルールや教育体制の構築が求められる。【了】

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PJ 記者