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PJ: 藤倉 善郎

「カルト宗教対策は大学の安全配慮義務」=弁護士が関西学院大で講演(上)
2009年07月04日 06:59 JST


かつて大学は「信教の自由」を理由にカルトを野放しにしてきたが、山口弁護士はカルトこそ「信教の自由」を侵害していると語る(撮影:藤倉善郎、6月25日) 

【PJニュース 2009年7月4日】6月25日、関西学院大学内で、カルト宗教問題などに取り組む山口貴士弁護士が、教職員や学生など約100人を前に講演。大学内で正体を隠して学生を勧誘し、場合によっては学生生活や社会生活を破綻(はたん)に追い込むことすらあるカルト宗教について、「信教の自由(宗教選択の自由)の侵害であり、大学教育を受ける権利の侵害」と語った。また、これらカルト宗教の問題に取り組むことは、「大学の安全配慮義務の問題」であるとした。

関西学院大学が主宰した今回の講演会は、「人権教育」をテーマとして毎年春と秋に2回ずつ開かれているもの。今回の「春季人権問題講演会」で、全国霊感商法対策弁護士連絡会会員で日本脱カルト協会理事の山口貴士弁護士が、「キャンパス内における勧誘と信教の自由」と題して講演。冒頭、「カルトの勧誘は、大学の合格発表の段階ですでに始まっている」として、大学におけるカルト勧誘の現状を説明した。

「カルトが学生を狙う理由は簡単です。企業や官公庁が求める優秀な若者は、カルトもまた求めているということ。これらの団体は、ボランティアやスポーツ、芸術など、表向きは誰も批判できないようなサークルを装って近づいてくる。中には大学の公認団体になっているケースもある。往々にして、アンケート調査という形で個人情報を聞き出し、『大学に入った目的』『あなたの夢は?』といった情報を入手し、ターゲットの学生をどのようにして落とせばいいのかを準備する。地方から出てきた学生などは入学直後には友人がいないこともあり、人間関係やキャンパス生活についてひとつも悩みを持っていない学生なんかいない。誰でもカルトに入りうる」

山口弁護士自身が被害者からの相談を受けてきた経験上、「カルトに入ろうとして入る人はいない。『入って気が付いたらカルトだった』というケースがほとんど」(同)だという。カルトは、団体名や自らの活動実態を隠して学生を勧誘するからだ。

「カルトの勧誘は、信教の自由(宗教選択の自由)の侵害であり、大学教育を受ける権利の侵害だと思います。学生に対する安全配慮義務として、学生が大学生活を邪魔されずにまっとうできる環境を大学が整備する必要があると思います」(同)

韓国人教祖が女性信者へのレイプで逮捕された「摂理」が、日本でも多くの学生信者を獲得していたことが盛んに報道された06年以降、全国の大学ではカルト対策に本格的に取り組み始めた。しかしこの点について山口弁護士は、「実際には、十何年も前から起こっていた問題」として、大学側の責任を指摘した。

「1995年のオウム真理教事件当時、日本の名門大学が高学歴信者を輩出し、彼らが多くの人を死なせ傷つけて、自分たちの人生をも棒に振った。そのことについて大学にも責任があったという自覚を大学は持っておらず、法的にも社会的にも責任を問われてこなかった」(同)

統一協会(統一教会)の学生組織「原理研究会」の活動について言うなら、そのスタートは1960年代にまでさかのぼる。当時は「親泣かせの原理運動」という言葉も生まれたほどだ。【つづく】

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