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PJ: 藤倉 善郎

X Japan・TOSHIがファンにカネをたかって詐欺事件に?=神戸地裁で初公判
2009年04月17日 05:37 JST


取材を受けるTOSHI(04年、東京・八重洲ホール前、撮影:藤倉善郎) 

神戸地方裁判所姫路支部で15日、姫路市内の被害者から450万円をだまし取った詐欺の容疑で起訴された女性2人(41歳・無職、33歳・風俗店店員)に対する初公判が開かれた。起訴状によれば、2人は姫路市内でロックバンド「X Japan」のヴォーカルであるTOSHIのソロコンサートを開催していたが、TOSHIの生活や活動を支援するためとして被害者から現金450万円をだまし取ったとされている。しかしこれ、被告らが勝手にTOSHIの名をかたった詐欺事件ではない。むしろ、TOSHIが彼のファンである両被告にカネをたかったことが原因で起こった事件のようなのだ。

 検察の冒頭陳述によれば、A被告は2005年にTOSHIへプライベートコンサートの開催を依頼したことからTOSHIやそのマネージャーらと知り合い、その後、B被告とともに「株式会社パーフェクトラブ」を名乗り06年から姫路市内で数回、TOSHIのコンサートを開催した。しかしチケットはほとんど売れず赤字続きだった上に、TOSHI側に出演料の前払いをしなければならなかったため、両被告は金銭的に困窮。07年に被害者に対して「2カ月後には返済できる」などとウソをついて、複数回に分けて計450万円を借り受け、全く返済しなかった。

 検察は「自身の利益や達成感目当ての犯行」「被害額が大きく、全く返済されていない」「再犯の恐れがある」などを理由に、両被告にそれぞれ懲役2年6月を求刑。両被告は起訴事実を全面的に認め、弁護人は「出所後に実家で家族とともに暮らすなど、矯正の必要がない環境が整っている」「服役させることで被害者への弁償が遅れる」ことなどを理由に、執行猶予付きの判決を求めた。

 公判では、両被告がいかにしてTOSHIからカネを吸い上げられていたかも明らかにされた。2人はTOSHIやマネージャーから支援を頼まれた際、「もうすぐX JapanがTOSHI主導で再結成される」「X Japanのツアーの仕事を優先的にまわす」などと言われたという。また、07年に大阪で行われたTOSHIのコンサートを見に行った両被告は、TOSHIから「カネを用立ててほしい」と頼まれ、それを被害者に伝えて7〜8万円を出させTOSHI側に渡した。検察によれば、両被告は「(この一件で)TOSHIの名前を使えば被害者からカネを引き出せると考え」、犯行に至った。被告側は、詐取したカネはすべてTOSHIの出演料や会場使用料の支払いに充てたとしている。

 しかも、両被告からTOSHI側に渡ったカネは、詐取した450万円だけではなかったようだ。B被告の両親は、B被告の求めに応じて送金をしており、それがなんと総額4000万円にものぼる。しかし両被告が金銭的に行き詰まってからはTOSHI側から何の連絡もなく、X Japan関連の仕事も実際には入らず、被告人はTOSHIに「捨てられた」(弁護人)という。

弁護人「TOSHIにだまされたという気持ちはありますか?」
A被告「はい」

弁護人「TOSHIを(民事裁判で)訴えようという気持ちはありますか?」
A被告「……そう思います」

弁護人「彼もいろいろ裁判を抱えているようですが、TOSHIがお金を返してくれたら、弁償に当てますか?」
A被告「はい」

弁護人「TOSHIさんから連絡は?」
A被告「いいえ」

弁護人「次に(TOSHIさんに)会うのは裁判所ですね」
A被告「はい」

 TOSHIは、自己啓発セミナー「ホームオブハート(HOH)」とそのリーダー・倉渕透(MASAYA)氏に心酔。そのことが、1997年のTOSHIのX Japan脱退や「洗脳騒動」につながった。04年には、共同生活するメンバーの子どもを段ボールに入れて育て通学もさせていなかったことなどが発覚し、栃木県児童相談所がHOHの施設やTOSHIの所属事務所であるトシオフィスから子どもを保護した「児童虐待問題」もあった。HOHはさらに、セミナー生を脅すなどして高額な金銭を支払わせたとして、被害者から複数の訴訟を起こされており、現在も係争中だ。

「TOSHIがコンサートで稼いだ金は、ほとんどがHOHに流れている。1日に何件ものミニコンサートをハシゴするTOSHIは、コンサートを終えると次の会場へ行く前にATMに駆け込んでは、売上金をHOHに振り込んでいた」(HOH元メンバー)

 いわば「カルト的集団の広告塔兼集金係」であるTOSHI。そのTOSHIが自分のファンにコンサートを主催させ、客が入らないのにギャラはしっかり前払いで受け取り、その結果、ファンに詐欺事件まで起こさせたことになると、カルト的集団との関係も彼の個人的問題では済まなくなる。この点についてトシオフィスに取材を申し入れたが、「担当者不在のため、折り返しご連絡します」としたまま音沙汰なしだった。【了】

(編注:文中ならびに写真キャプションに不適切な表現があり削除・訂正いたしました。関係者ならびに読者の方々に深くお詫び申し上げます。PJニュース編集長 小田光康、09年5月29日)

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