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PJ: 高橋 清隆

構造改革に抗議の出馬を決めた元郵政官僚、稲村公望氏に聞く(下)
2009年08月09日 07:10 JST


稲村公望氏(撮影:高橋清隆、7月31日) 

【PJニュース 2009年8月9日】(中)からのつづき。
「骨太の方針」やめ、全国民が豊かに暮らせる社会を
-当選したら、どんな政権をつくりたいか。
「企業活動から個人の生活レベルに至るまで、分配のしくみをよくしたい。弱者のハンディーを大切にする心豊かな政策だ。努力しないでもうかるのはよくないが、貧富の格差を小さくすることが重要だ。国民の大多数の経済が悪化すれば、国は活力を失う。経済と道徳は車の両輪だ」

「また、権威と権力を切り離した方がいい。小泉改革の本質は、日本の国体の根本に触れる危うさがあった。タイやネパールでの動きは、同じ延長線で起きている可能性がある。権威は絶対守らなければならない」

-なぜ、出身地の鹿児島でなく、東海ブロックから出馬か。
「上司だった長谷川憲正氏(現参議院議員)に勧められ、応援したいという人もいたから。わたしは名古屋の東海郵政局に2回勤務していて、愛着を持っている地域だ」

「首相は『本当は郵政民営化反対なんです』と言いながら、鳩山邦夫総務大臣を更迭し、何もしようとしない。じゃあ、誰が直すのか。しかも、郵政だけが問題なのでなく、構造改革全般がいかさまだ。市場原理主義の政策が修正される保証があるのであれば、自分のような者が選挙に打って出る必要はないが、“義を見て為さざるは 勇なきなり”の心境だ」

-議員になったら、真っ先に何をやりたいか。
「参議院を一度は通っている郵政株式凍結法案を、衆議院で成立させたい。郵政民営化法では、民営化後10年以内に日本郵政が保有するゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式を売らなければならない。仕掛けた連中は前倒しで売りたいと思っているはずで、これを止める。バラバラになった郵便局インフラを再構築したい。悪しき改革の元になっている経済財政諮問会議を廃止したい。国会議員でない財界人の一部の声が国政に反映されてきた。『骨太の方針』もやめるべきだ」

-財政均衡主義についてはどう考えるか
「2020年までに延長したプライマリーバランスを外す。政府が保有する金融資産を担保に、国を富ませることが重要だ。経済学者の菊池英博氏が言うように、5年間で積極的な公共投資をやって税収を上げ、財政赤字をなくす。この提案はクリントンが米国でやったものと同じ考え方。日本は逆に、お金を外へ持っていった。今のままで行くと、アルゼンチンやチリのようになる」

-理想となるような社会モデルはあるか。
「一番イメージしやすいのは、70年代初頭の日本。きちんとした財政政策をやれば、うまくいく。構造改革で大騒ぎする前まで、多少のバブルはあったが格差の小さい、豊かな社会が成り立っていた」

-地元の反応は。
「顔の見えない選挙が、わたしが出たおかげで見えるようになったと言われる。名古屋の昔の同僚には、『お前、年取ったなあ』とからかわれた。地方でおいしい名産を楽しむ。例えば三島に行くと、ウナギがおいしい。愛知、三重、岐阜、静岡と駆け巡れば、旧知の友人・知人に会う喜びもひとしおだ。地方の疲弊が手に取るように分かる。政治は総合的な学問であることを実感する」

-最後に有権者へメッセージを。
「この10年で貧富の差が拡大し、国の規模も小さくなった。一部の人が富む社会など、続くわけがない。健康な人も病気の人も、国民一人ひとりが、それぞれの人生をまともに豊に暮らせる社会に戻しましょう。今が、そのチャンスです」【了】

■ 稲村公望:1948年、鹿児島県大島郡天城町に生まれる。東京大学法学部を卒業し、1972年に旧郵政省入省。八女郵便局長や在タイ王国日本大使館一等書記官、総務省政策統括官などを歴任。郵政公社常務理事のとき民営化反対を貫き、2005年に退任。中央大学大学院公共政策研究科客員教授を務める傍ら、『月刊日本』や森田実ホームページに論説を掲載中。

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■関連情報
森田実HP「憂国の士の論説コーナー」
国民新党HP
高橋清隆の文書館

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