PJ: 高橋 清隆
郵政民営化の本質は私物化=3野党議員がかんぽ問題の集いで訴え
2009年06月16日 08:20 JST
集会で報告した(左から)長谷川氏、保坂氏、原口氏(撮影:高橋清隆、6月15日) 
【PJニュース 2009年6月16日】ゆうちょ銀行・かんぽ生命の株式売却要求やかんぽの宿の不当売却疑惑、これに関与する日本郵政の西川善文社長を擁護するマスコミ…。長谷川憲正(国民新)、保坂展人(のぶと、社民)、原口一博(かずひろ、民主)の3国会議員は15日、かんぽの宿・郵政民営化を問い直す杉並集会で、共有財産を食い物にする民営化の本質を糾弾した。
西川社長続投を認めない鳩山邦夫総務大臣が辞任する異常事態の直後だけあって市民の関心は高く、約250人が参加。司会の奥山たえこ杉並区議(無所属)が「緊急集会ではありません。前から計画していました」とくぎを刺すほど。160席のいすはすべて埋まり、立ち見のほかロビーにも人があふれた。
最初に基調報告に立った長谷川氏は、郵便局員に税金は1円も使われていないことや、簡保資金が保養施設建設に使われる可能性は民営化前になくなっていたこと、4分社化では郵便局の経営が成り立たないこと、世界では国営か公社経営が常識であることなど、民営化への誤解について説明した。
特に、日本郵政株の売却とかんぽの宿売却の問題を強調。合わせて約300兆円の金融資産を持つゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の株式売却の危険性について触れ、「小泉さんと竹中さんは10年以内に株式を売り払えということにしたが、株を売るには状況を見なければならず、これではたたき売ることになる。住友銀行の頭取をやられていた西川さんは早く売らなければと一生懸命だが、アメリカが十数年にわたって売ってくれと言ってきたもの。はげたかファンドが買い取ってしまえば、郵便局に委託料を払って『住民にサービスを』などと言うわけがない」と警告した。
かんぽの宿売却については、1万円で売却された優良施設が6000万円で転売された例を挙げ、「売る相手は規制改革会議の議長をしていた宮内義彦さんのオリックスグループ。2400億円かけて造った70の施設を109億円で買った」と非難した。
その上で鳩山大臣の辞任に触れ、「時代劇には必ず、悪代官と結託する腹黒い商人が出てくる。しかし、忠義の家老が私腹を肥やそうとした西川さんを見つけて殿様の所に行ったら、『お前が腹を切れ』となった。麻生総理は本当に意気地なしだ」と切り捨てた。
これを報じるマスコミの姿勢にも疑問を投げ掛けた。「テレビには、鳩山さんが悪いようなことを言う学者やジャーナリストばかり出る。『これは正義か悪かの問題ではなく、郵政民営化を成功させるかどうかだ』と。しかし、正義か悪かの問題だ」。
続いてマイクを執った保坂氏は、予算委員会で自らが質問した体験を挙げ、「このときのマスコミの論調は『鳩山、横やりを入れるな』だった。ルール通り競争入札をやったのだから、文句を言うなという理屈は一見分かりやすいが、最初にうそが仕込んである。メリルリンチの文書に入札日の記載はなく、『いつでもどこでも取りやめたり、内容を変えたりできる』とある」と説明した。
保坂氏は、午前中見てきた東池袋のかんぽヘルスプラザ東京の不透明な売却にも言及。約600坪で土地の値段は「調査中」、建築費57億円の物件が、三菱UFJ銀行に信託された後、住友不動産に信託受益権として50億円で売却されていた。これは公表されておらず、売却3カ月前の昨年5月時点では「売却先未定」と総務省に届け出ていることを明かした。
「全くの随意契約だ。もともと郵政民営化関連法案には竹中氏が直接関与している。付則に『一括して、5年以内に譲渡または廃止』の文言を入れたのは竹中大臣の指示と、民営化準備室長が国会で証言している。『官から民へ』の掛け声は、官有財産を私企業へという話ではないか」と指摘した。
マスコミの偏向性にも触れ、「竹中元大臣はまだテレビに出ている。『改革を止めるわけにはいきませんね』がニュースキャスターの枕ことばになっている。民営化された会社に国が口を出すのはおかしいと。しかし、2兆7000億円の財産を国からただでもらう会社などあるか。日本郵政は国が100%出資する特殊会社だ。決裁書の責任者である横山邦男専務が住友銀行出身で、今も三井住友の社宅に住んでいることなど、新聞やテレビに出ることはない」と批判した。
民放のテレビ番組の収録から終盤に駆け付けた原口氏は、「国民には自己責任だと言い、民であれば正しいと言ったが、民営化して税金が安くなったか。1000円の物件が4700万円で転売され、誰が喜んでいるか」と訴えた。
3氏は郵政民営化・かんぽ疑惑の徹底解明を誓って握手を交わすと、会場から惜しみない拍手が送られた。
民主、社民、国民新の3党でつくる「かんぽの宿疑惑追及チーム」は8日までに西川社長、横山専務、伊藤和博執行役の3人を特別背任未遂罪で東京地検に刑事告発している。【了】
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