SakuraFinancialNews

PJ: 高橋 清隆

知られざる職業人の世界(1) パーソナルスタイリスト(上)
2009年06月08日 16:33 JST


パーソナルスタイリストの草分け的存在の三好凛佳さん。デザイナー出身でコーチングの手法を持つことが彼女の強み 

百貨店の紳士服売り場の一角。選び出した服や小物を合わせて見せる人がいる。
 
 「軽く見られすぎないよう、トレンド感を踏まえた伝統的なスーツというのはいかがでしょう。肩は英国調で角ばったもので威厳を出し、体形にぴったりのサイズで襟幅もトレンドすぎないものを」。

 背広を新調しようとしている男性は、薦められる濃紺のジャケットに袖を通す。

 「明るさは、Vゾーンのコントラストで付けるといいと思いますよ。例えば春らしい色で」

 薄青のシャツに紫のネクタイを載せてみると、鏡をのぞく依頼者も満足そうだ。

 洋服選びに助言を送るのは、パーソナルスタイリストの三好凛佳(みよし・りんか)さん。顧客の目的に応じて服装や髪型、靴などを選び、その人らしさを発揮できるようファッションの側から後押しするのが仕事である。

 「人間は中身が重要だ。外見なんて」

 そう言う人もいるかもしれない。果たしてそうだろうか。メラビアンの法則によれば55%の人が外見的要素で判断しているとされるし、第一印象で付き合い方を決めるという人が統計でも多数派だ。初対面で得られる少ない情報の中で、外見は大きな比重を占めることは間違いない。

 スタイリストと呼ばれる人は芸能人や雑誌のモデルを主な対象とするが、パーソナルスタイリストは一般人を相手にする。芸能人の場合、洋服はアパレルメーカーからのリースが大半で、撮影のためだけに着用する。これに対し、一般人はそれを着て生活する立場であり、自前で購入することになる。

 芸能人には最新の流行を取り入れたスタイルになる傾向が強いが、一般人の場合は体形や予算が最も重要になることも多い。

 「スタイリストが芸能人に服を選ぶ場合、イメージやキャラクターを優先する必要があるので流行をメインにしたり、テーマが重要で本人主体でないこともありますが、一般人を相手にする個人スタイリストは、あくまで依頼者本人を主役と考えます。自分らしく生き生きと過ごせる服や、ビジネスマンなら将来の目標を聞いてそれに近付けるスタイルを選びます」

 パーソナルスタイリストの歴史は、意外と浅い。その原型は、米国で広まったイメージコンサルタントにある。J.Fケネディが大統領選に出馬するとき、効果的な演出を行ったことで、その存在が広がり始めた。当初支持率の低かったケネディはイメージを高める戦術を助言され、カラーテレビに登場した。紺のスーツに白いシャツ、赤のネクタイという、星条旗をモチーフにした出(い)で立ちで現れ、話し方、ボディーランゲージも意識して、視聴者に「アメリカニズム」を訴えた。

 その後、イメージコンサルタントという職業は外見全般に及ぶイメージづくりの専門家として、政治家や経営者層に浸透する。イメージコンサルタントが扱う範囲は広く、ファッションやカラーだけではなく、ボディーランゲージやプレゼンテーション、マナーなどビジネスシーンにおけるイメージを作り出すものとなるため、海外ではそれぞれの分野で専門家が存在する。

 日本におけるパーソナルスタイリストは、ファッション面のプロとしての性格が強い。三好さんはスタイリスト、パーソナルショッパー(ショッピングに同行して助言する人)、ワードローブコンサルタントなどを兼任する形で仕事を始めた。要するに、パーソナルスタイリストは洋服の専門家でもあり、目標を具体的な商品選びに落とし込んでくれるところが優位点と言える。【つづく】

■関連情報
「株式会社レアリゼスタイル」HP
高橋清隆の文書館

PJニュースは一般市民からパブリック・ジャーナリスト(PJ:市民記者)を募り、市民主体型のジャーナリズムを目指すパブリック・メディアです。身近な話題から政治論議までニュースやオピニオンを幅広く提供しています。

PJ募集中!皆さんもPJに登録して身の丈にあったニュースや多くの人に伝えたいオピニオンをパブリックに伝えてみませんか。


FXトレーディングシステムズはパブリック・ジャーナリズムの発展とPJ(市民記者)の活動を応援します。



関連記事:
タグ:
pagetop

PJ 記者