SakuraFinancialNews

PJ: 高橋 清隆

「国はお年寄りを見捨てたのか!」=後期医療制度の廃止求め、東京で五千人が集結
2008年12月15日 10:11 JST


「命の平等を守れ」と声を上げながら銀座の外堀通りをデモ行進(撮影:高橋清隆、12月14日) 

後期高齢者医療制度の廃止を求める集会が14日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で開かれ、雨空の下、主催者発表で約5000人の医療関係者や市民が気勢を上げた。野党各党の国会議員らが見守る中、同制度の廃止を求めるアピールを採択し、銀座の街頭などをデモ行進した。

 主催したのは、東京社会保障推進協議会や東京民主医療機関連合会、東京保険医協会など36団体からなる「後期高齢者医療制度の廃止を求める東京連絡会」。施行前の3月23日に東京・井の頭公園で1万2000人を集めて決起集会を開き、同制度の撤回を求める機運を盛り上げてきた。

 冒頭、あいさつに立った吉田万三代表は、同制度をめぐる8カ月間の動きを報告。全国28の地域で連絡会ができ、撤回を求める署名が75歳以上の人口の過半数を占める63万3639通に達し、不服審査請求は東京で1031人、全国で8000人を超える一方、受診抑制や滞納が相次いでいることを明らかにした。

 その上で、「これは問題が続出する制度だということ。まだ1年もたたないうちにあちこちで問題が噴出しているのが実情だ。廃止法案が参議院で可決し、衆議院で審議されているが、わざわざ会期を延長するからには、しっかり審議をして廃止という結論をいち早く出すのが筋ではないか」と訴えた。

 集会には野党各党の国会議員や都議会議員も駆け付けた。社民党党首の福島瑞穂参議院議員や鈴木寛民主党参議院議員、新党日本代表の田中康夫参議院議員らが制度廃止の必要性を説明し、参加者の代表による発言が続いた。

 東京保険医協会の塩安佳樹会長は「雨の中、これだけの人数の方が集まっているのを政府・与党は刮目(かつもく)して見よ」と訴え、拍手を浴びた。同制度施行の4月1日に特定健診から75歳以上を外したことやまともな診療ができない1と月600点の診療料、主治医制度の導入などを挙げ、「高齢者をいじめるなという言葉があるが、国はいじめてるんじゃない。見捨てたんだ」と国の姿勢を批判した。

 大会アピールとして、後期高齢者医療制度が人間の尊厳を無視した世界的に例のない差別的医療制度であり、見直しでなくあくまで廃止に向けて闘うとする内容が提案された。採択の後、参加者たちは「後期高齢者医療制度はきっぱり廃止を」との横断幕を掲げ、シュプレヒコールを上げながら東京駅までをデモ行進した。銀座の街頭では買い物客らが、振り返っていた。

 日野市から来たという66歳の女性は、「まだ後期高齢者ではないが、線引きは困る。苦労して働いてきた人たちのおかげで今の日本があるのに、理不尽ではないか」と話していた。

 後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者や65歳以上の「障害者」の一部を対象に4月から施行された。患者の自己負担を除く5割を国や都道府県の公費、4割を現役世代からの支援、1割を高齢者自身の保険料で賄う。年額18万円以上の年金受給者は原則年金からの天引きによる(特別徴収)。相次ぐ批判を受け、支払い方法について口座振替への変更を認めたり、所得割の減額措置を追加するなど、修正が図られている。

 支払いをめぐっては、この保険料を天引き以外の方法で納める「普通徴収」の滞納率が15%近くに上る県の発生も報告されている。1年以上滞納すると「資格証明書」が発行され、医療費はいったん窓口で全額自己負担しなければならない。普通徴収開始から1年後の09年7月からは、保険証を失う人も出る見通し。また、保険料を管轄する都道府県単位の広域連合によって保険料の格差も生じている。【了】

■関連情報
高橋清隆の文書館

PJニュース.net



関連記事:
タグ:
pagetop

PJ 記者