PJ: 高橋 清隆
ニュース研究(6) 偽装判決文送付事件の真相
2008年12月11日 07:16 JST
偽造判決文によって凍結解除された銀行口座から現金を引き出したとして、京都家裁の男性書記官(35)が7日、逮捕された。公正な社会を守るはずの司法に従事する公務員が逮捕されたことは国民に衝撃を与えたはず。しかし、検察とマスコミこそ、疑うべきである。この事件は、振り込め詐欺集団に権力がかかわっている実態が明るみに出ることを防ぐための逮捕ではないだろうか。
わたしがこの事件を疑う根拠は、背景のみである。報道はうそだらけ、判決は不正だらけという現実に加え、渦中の銀行口座から現金を引き出すようなまねをするだろうかというのが第一の疑問である。人間は所属する職場に同化するのが普通で、裁判所員は皆、それが幻想であろうと正義の従事者であることを誇りに思って勤務している。明らかに法に触れる大胆なことをするわけがない。こうした認識に立った推論であることをお断りしておく。
報道によれば、容疑者は振り込み詐欺に使われた銀行口座を解除するため、偽の原告名を記した京都地裁判決を装った判決文をさいたま地裁熊谷支部や札幌地裁、函館地裁など複数の裁判所に郵送した。口座情報は、預金保険機構のホームページ上から得た。口座名義になっている「馬場(ばんば)」生の戸籍は昨年9月に京都家裁で就籍手続きが試みられており、そのときの担当者が容疑者だった。「馬場」の住所にあるアパートに容疑者が出入りするのが確認された。口座には振り込まれるなどした金が1000万円以上あった−−というもの。
拙稿「ニュース研究(1) 振り込め詐欺報道の真意」でも指摘したように、「振り込め詐欺」は取り付け騒ぎに備えて銀行やATMに警官を配備するための口実づくりにすぎない。やっているのはある種の人たちで、警察権力の中枢(組織内組織)がかかわっているとみる。否定する人は、なぜ米ドルが歴史的な暴落をした翌日の10月15日に警察官5万8000人を動員して全国のATMを一斉警戒したのか、なぜ月間比較で前年度より認知件数の減っていた中で全マスコミが「振り込め詐欺」の被害を大宣伝したのかを説明してほしい。
容疑者が引き出した金は数百万円と報じられている。普通に勤務し続ければそれ以上の給与がこれから毎年入ってくるのに、それを棒に振るようなことをするだろうか。大体、なぜ家裁の書記官が地裁判決文を書くのか。事件との接点は、戸籍に関する手続きしかない。男性書記官は逮捕前の6日から「クロ」としてテレビ・新聞で一斉に伝えられた。検察が情報提供しているはずだ。
管見では、今回の逮捕は、誤って本当の銀行口座を記した判決文が出されたため、容疑者の男性書記官をスケープゴートにしたのではあるまいか。振り込め詐欺の(便乗組織でない)本流組織の正体がばれ、犯罪に国家権力が関与していることが表ざたになれば大変なことになる。そこで、就籍手続きを担当した容疑者を犯人に仕立てたと考えられないか。就籍手続きは実際には行われておらず、むしろこの男性書記官が不審に思った可能性がある。偽名を覚えていれば、「馬場」の正体を明かす恐れもあった。【了】
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