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PJ: PJニュース編集部

マリに住む幼いマラリア患者の証言=ルポ「国境なき医師団」
2010年04月30日 09:46 JST


(写真提供:国境なき医師団) 

【PJニュース 2010年4月30日】カンダ・コネ(5)君はアフリカのマリ南部カンガバ地区にあるデゲラ村に住んでいる。この村では、ファトゥマタ・トラオレが国境なき医師団(MSF)の研修を受けて、合併症のない単純なマラリアを発症している13歳以下の子どもの治療を行っている。

■大木の木陰で診察するマラリア治療スタッフ
MSFの訪問チームが最初にカンダに会ったとき、彼は体調の悪い状態だった。ファトゥマタが村の広場の大木の木陰で診察を行っているところへ、診察を受けに来ていた。母親は畑仕事が忙しいため、おばと一緒だった。カンダはおとなしく座り、血液検査のため指を刺されても怖がらなかった。

簡易診断用検査の結果、カンダはマラリアに感染しているとわかり、ファトゥマタはその場ですぐに1回分の薬を少量の水の中に溶かし飲みやすくして与えた。それから、ファトゥマタは自宅で服用するための2錠をおばに渡し、目まいや吐き気が起こらないよう少量の食べ物や飲み物と一緒に飲ませるのがよいと説明した。

翌日、カンダの自宅である小屋を訪ねると、母親が一緒にいた。母親によれば、少し気分がよくなっているが、まだ熱があるとのことだった。カンダに、具合が悪いときには、だれが面倒を見てくれるのかと聞くと、「ファトゥマタ」と答えた。

■「この子は毎月のようにマラリアにかかります」
「この子は毎月のようにマラリアにかかります。具合が悪いと遊びに行きたがらず、寝ています。そうなると、いつもファトゥマタのところに連れて行きます。薬をもらうと、病気は治ります。私は彼女を信頼しています」。母親はこう語る。

「ファトゥマタがこの仕事を始める前に、MSFが村を訪れ、この村のだれかをマラリア治療スタッフとして指導する予定だと説明しました。その人に薬を渡し、マラリアだけを発症している子どもを見分けて治療する方法を教えるから、だれにこの役目を担ってほしいか村で選ぶようにと言われました。そこで大きな集会が開かれて村中の人が集まり、ファトゥマタが選ばれたのです。彼女はとても注意深く、働き者です。子どもの具合が悪いときは夜でも来てくれます。彼女がいてくれて、間違いなく村はとても助かっています」

翌日、訪問チームはカンダの家を再び訪れた。到着すると、カンダは泣いていた。また具合が悪くなったのかと心配したが、そうではなかった。木登りをしていて落ち、膝をけがしたのだ。機嫌が直ると、カンダは友達と駆け出し、間もなく家の周りで自転車の古タイヤを追いかけ始めた。皆が声援を送る。

母親は笑いながら語る。

「あの子はいつも走り回っています。病気でない限り、おとなしく座っていることなど決してありません」

「薬はよく効いて、また友達と遊びに行けるようになります」

カンダはこう話す。

「僕の名前はカンダ、5歳です。僕の村には蚊がたくさんいます。蚊に刺されると僕たちは病気になります。具合が悪くなることが、よくあります。マラリアにかかると体が熱くなり、気分が悪くなることも、よくあります。熱が出たら、いつもファトゥマタのところに行きます。お母さんや、たまにはおばさんが連れて行ってくれます。ファトゥマタのところに行くと、熱を測ってくれ、指をちょっと刺されます。でも怖くありません。ファトゥマタはいい人だし、僕のことを気にかけてくれます。薬をくれるけど、苦いです。お母さんは甘いお茶と混ぜて飲ませてくれます。その方がずっと飲みやすいです。薬はよく効いて、飲んだら、また友達と一緒に遊びに行けるようになります。一番好きなのは自転車のタイヤで遊ぶこと。オートバイのつもりです。大きくなったら、本物のオートバイが欲しいなぁ」

【了】

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