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PJ: 映像編集 by PodTV

【動画】11月19日朝から晩までのマスコミ=年金テロ現場で、その行動様式を観察する(3)
2008年11月21日 06:46 JST


19日朝の被害者宅前。ブルーシートは無い(上)。19日午後の被害者宅前。ブルーシートが貼られていた。東京・中野の「年金テロ」現場で。(撮影:小田光康) 

(2)からのつづき。東京・中野の元厚生労働省事務次官宅で19日午後起きたいわゆる「年金テロ」。PJはマスコミのこの現場取材の様子を数日間、朝昼晩と定点観測することで、マスコミの行動様式の図式化を試みたい。この取材の様子は動画PJ PodTVでもご覧いただきたい。

 20日は早朝から300人以上のマスコミが現場に詰めかけた。被害者宅を中心にカメラが向けられ、通行人が通りかかると一斉にマスコミが取り囲んで取材をしていた。空を見上げると5機以上のヘリが低空で飛び交い、路上での会話は大声を出さねばならぬほどだ。マスコミののぞき見取材を封じるため、警察当局は被害者宅周辺をブルーシートで二重三重に覆った。これが逆効果で、近所迷惑なヘリ取材を助長させてしまった。

 取材で大忙しと思いきや、現場周辺で座り込み、番組の時間待ちのマスコミが多い。その多くは同僚や同業他社と雑談を交わしている。中継車やハイヤーの中で仕出し弁当を堪能するマスコミの姿もある。事件現場周辺は弛緩(しかん)しきっていて、ニュース番組で映し出される緊迫したムードなど皆無だ。事件が動かない限り、こうした様子はどこの事件現場でもよく見られる。

マスコミのヘリの騒音被害と煽(あお)る不安
 ヘリの飛行時間にはパターンがある。ニュース番組時間にあわせて飛ぶ。だから、朝7時、正午、午後7時というニュースが最も多い時間帯に飛行するヘリの数が最も多くなる。ニュースが始まる30分前くらいからヘリが現場周辺上空を旋回し始める。ニュース番組が終わってからも30分程度は辺りを旋回し続ける。5分のニュース番組だとしても、結局ヘリはその時間を前後して1時間以上、現場上空を飛び続けることになる。

 この日のテレビの番組表を見てもらえれば分かるのだが、朝から晩まで1時間ごとにニュース番組が組まれているうえ、ワイドショーなど情報番組もこの年金テロ事件を取り上げている。つまり、現場周辺上空には一日中、ヘリが5機以上、飛び回っているのだ。この騒音被害たるは相当だ。

 20日は午前7時前から現場上空にマスコミ各社のヘリが飛び、普段は平穏な早朝の静けさを打ち破っていた。PJが7時過ぎに自宅から出ると、道を掃いていた近所のおばさんも「なんでこんな朝早くからヘリ飛ばすんだろうね。昨日の晩も10時過ぎまで飛んでいてはた迷惑だよね。なんか怖い気がする」と怒りをあらわにしていた。夜間・早朝のヘリ飛行は、現場周辺の住民の迷惑となると共に、意識的ではないにせよ、不安を煽っていたのだ。

住民に片っ端から集団的加熱取材
 「ゴミ出しに自宅から外に出たら、いきいなりライトが付き、カメラを向けられて何事かと思った。考える暇もなく、マスコミに取り囲まれて取材の嵐だった。このほうがよっぽど怖かった」。事件現場周辺のある住民はこう打ち明けた。PJの父親の友人宅が現場周辺にある。20日午前、父親がどんな様子か伺いに行こうとするとマスコミが群がってきたという。「吉原さんをご存じですか」と言われたので、「わたしはこのちょっと先の住民で、吉原さんは知りません」と答えたという。

 その間、どんどんマスコミが集まってきて父親を取り囲み、「この辺りは普段どんなところですか」「犯人らしき人物を見かけませんでしたか」「恐ろしい事件ですよね、怖くはないですか」と取材の集中砲火を浴びたという。父親は結局、すごすごと自宅に戻ってきた。

 PJが現場付近を取材していると、マスコミがジョギングしている住民と一緒になって走りながら取材する光景や、道ばたでライトを煌々(こうこう)と照らし付け一人の住民を取り囲んで取材している光景に出会った。

周辺道路は無法駐車で大渋滞
 毎度のことだが、大事件が発生すると現場周辺にマスコミのハイヤーや中継車で溢(あふ)れかえる。無法駐車状態なので、当然、ところどころで要らぬ渋滞を巻き起こす。周辺住民はクルマの出し入れさえできない状態が続いてしまう。早朝から深夜までエンジンをかけっぱなしで駐車する。これらマスコミ車両は相当な数に及ぶから、騒音被害もバカにならない。近所迷惑などお構いなしだ。

 20日午後、交差点内に駐車するテレビ東京のスタッフに駐車方法について聞いた。「住民の迷惑になると思いませんか」「いやそういうわけではありません。できるだけどくようにはしますよ」「でも(駐車しているのは)交差点内ですよね。ほかに止めるところはないのですか」「ちょっといまはない」「交差点の中でも駐車してよいという警察からの許可を得ているのですか」「許可というか、許可証があるんですよ。もしどけと言われたらどくという感じです」。

 緊急車両や許可証がある車両とはいえ、道路交通法では交差点内での駐停車は禁止されている。ただ、ごったがえす事件現場での臨機応変な対応が必要なのかも知れない。このテレビ東京の中継車の駐車は良心的であった。PJが以前取材した日航機墜落事故関連では、遺族のために開けておいたスペースまでマスコミ車両が駐車し、遺族感情を逆撫(さかな)でしていた。【つづく】

■関連情報
19日午前1時のマスコミ=年金テロ現場で、その行動様式を観察する(1)
19日午前1時のマスコミ=年金テロ現場で、その行動様式を観察する(2)
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PJ 記者