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PJ: 映像編集 by PodTV

【動画】スーパーカブでまわる山古志村、中越地震から4年目(2)山古志村遙かなり、半日でたどり着けず
2008年10月30日 06:30 JST


PJ小田の愛車、PJニュースカラーのリトルカブ(手前)と、山古志村に雨の中向かう取材マシンのヤマハ・セローの前に立つPJ佐藤。(撮影:小田光康、10月23日) 

(1)からのつづき。今回は、庶民が使う小型ビデオを利用して、村内の被災現場を撮影すると共に、ごく普通の村の風景も撮影してこようと思う。機材はサンヨーのザクティを選んだ。映像をSDカードに保存でき、編集作業も簡単だからだ。デジタルデバイドのPJ小田やPJ佐藤にも優しい。だが、ビデオがあっても撮影の仕方が分からなければ始まらない。10月22日午前、PJ小田はPJ佐藤と共にPodTVの内田社長から、ビデオ撮影の手ほどきを受けた。これで準備万端。東京からの移動の様子は動画PJ PodTVで。

 さて、問題は山古志村までどうアプローチし、取材して回るかだ。庶民が村を訪れたという感覚が大切だと思う。そこでPJ小田は考えた。「よし、原チャリのカブで行こう」。東京から約250キロ、50ccの原動機付き自転車のホンダ・リトルカブでだ。この原チャリは日本中を駆けめぐる「プレス」用バイクで、世界でもっとも長きにわたって製造販売されるホンダ・スーパーカブの兄弟車だ。スーパーカブの車輪を一回り小さくした形をしている。

 PJ佐藤のPJニュースの復帰を機に、取材車両をホンダ・リード100かをPJ佐藤に譲り、リトルカブに乗り換えた。ホンダはスーパーカブ販売50周年を祝ってこの夏、スーパーカブとリトルカブの記念車両を販売した。PJ小田は青いボディに赤いシートが目立つリトルカブを選んだ。この配色はスーパーカブ販売当初と同じで、何よりもPJ池野さんがデザインしてくれたPJニュースのロゴカラーと同じなのがいい。

 東京から山古志村までは、埼玉・浦和と群馬・前橋の各県庁所在地を通り、最大の関門であろう三国峠を乗り越え、川端康成の『雪国』で有名な越後湯沢からはコシヒカリで有名な魚沼平野を見渡しながら走る国道17号線を新潟・小出まで北上するルートを取る。小出から山古志村まではローカル道路。合計約8時間の行程だ。PJ佐藤に「スクーターのリード100で一緒に行こう」と誘うと、「ずっと下道でしょ。たいへんだから嫌だよ。だいたい、そんなんで山古志までたどり着けるのかよ。おれはオフロードのヤマハ・セローで高速道路使って行くよ」と冷たい。PodTVの内田社長は「カブで行くって、それ小田さんの変な趣味の世界でしょ」とあきれた様子だった。 

 こんなすげない言葉を振り切り、PJ小田は22日午前11時半、東京・六本木にあるPodTVのオフィスを後にした。愛車リトルカブにまたがり、二重橋と松林が美しい皇居前、ビジネスパースンが闊歩(かっぽ)する大手町、学生であふれる水道橋を抜けた。バイクに乗るのはかれこれ28年にもなる。高校1年生の時に原付免許を取り、ヤマハ・パッソルで都内を走り回った当時の感覚がよみがえってきた。その感覚とは・・・。クルマとバイク、すべてに追い越されるという感覚だ。50ccのカブに乗るのは本当に久しぶりだ。学生時代、ラーメン屋のバイト以来だから25年ぶりということになる。

 東京・埼玉の境、戸田橋を渡って浦和に到着したのは午後1時。「ひぇ〜、まだ浦和かよ・・・。山古志村に着くのかな」という不安に襲われた。このあたりの国道17号線はバイパスが郊外を通っているため、大型車両が少ない。時速30キロほどで走ると、古い街並みもくっきりと見えた。大宮を過ぎるとバイパスと合流する。急に大型トラックが多くなった。鴻巣を過ぎると熊谷バイパスに入った。一番左の車線をのろのろと走っているPJ小田の真横をばかでかいトラックやダンプが追い越していく。「もっと優しく走ってくれよ!」と叫びたくなった。

 東京から100キロを示す道標が現れたのが群馬・前橋手前。ここまでのライディングの感想はと言うと。「関東平野はだだっ広い」。クルマで東京から関越道を走れば、約1時間で関東平野を抜けられるが、カブでは4時間ほど・・・。遅いし、怖いし、尻も痛いし。心がめげてきた。「もう午後4時か、あと1時間足らずで日没。山古志までたどり着けないな」と思い、PJ佐藤に電話した。「山古志村は遙かなり。三国峠越えた辺りで1泊しよう。苗場スキー場の近辺で」、ということになった。

 前橋を過ぎて少しすると国道17号線は片側1車線になる。車の流れもゆっくりとなり、落ち着いた。板東太郎こと利根川の橋を渡ると渋川。ここから左に折れて山を少し登ると、PJ穂高さんが最近、紅葉情報を報告してくれた伊香保温泉だ。渋川から沼田までの国道17号線は利根川沿いを走る。水景色を見ながら、カブでトコトコと走ると爽快だった。途中、ガソリンスタンドで給油した。燃費を計算してみると、なんと1リットルあたり55キロ! おそるべしスーパーカブ、いやリトルカブ。月夜野からはいよいよ山登りとなる。PJ今藤さんがお薦めの湯宿温泉まで来たが、ここで立ち止まることはできない。残念。ここはひなびた共同浴場でも有名。レトロ漫画家、つげ義春さんの温泉本でも紹介されている。

 エンジンがうなりを上げ、スピードが落ちてきたかと思うと猿ヶ京まで来ていた。これからが三国峠だ。先週末の谷川連峰の紅葉取材では、クルマですいすいと越えられた。今回は・・・。3速では登り切れず、ギアを2速に落として走るものの、時速30キロには届かない。うぃーん、と大きな排気音がするのだが、なかなか前に進まない。最高出力3.4馬力。ここでどうもがいても仕方ない。ゆっくりと谷川連峰山麓の紅葉を楽しみながら走ることにした。標高約1000メートルの三国峠に到着。手の指先と足のひざ小僧が冷たくなってきた。

 トンネルを抜けると雪国・・・ではなく、この晩の目的地の苗場スキー場に着いた。時刻は5時半。東京から6時間。疲れた・・・。。【つづく】

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PJ 記者