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【動画】臨界点を突破したニコニコ動画=ニコニコ大会議2008開催
2008年07月05日 08:36 JST


左から、小林社長、夏野顧問、西村氏(撮影:内田勉、7月4日) 

ニワンゴは4日、東京・文京区のJCB HALLで、同社が運営する動画コメントサービス「ニコニコ動画」のメディア・ユーザー向け発表イベント「ニコニコ大会議2008〜日本の夏、ニコニコの夏〜」を開催し、現状と新機能に関する発表を行った。同社によると、7月1日時点でのPC会員数は約790万人、携帯会員数は約191万人、有料会員数は約20万4000人と順調に伸びをしめしているほか、広告売り上げも月4000万円に達するという。

 約2000人のユーザーがホールを埋め尽くし、さらに1万2000人以上のユーザーがニコニコ動画のサービスの1つ、ニコニコ生放送を使いインターネット経由で参加し、そのコメントを見て会場がまた盛り上がるという Webサービスのイベントとしては異例の規模と展開と盛り上がりを見せた。

 イベント前半で、iモードの生みの親として知られる元NTTドコモ執行役員の夏野剛氏がステージに登場。同氏がニワンゴの親会社ドワンゴの常勤顧問に就任したとが発表されると、会場は大きくどよめいた。同氏とニワンゴの西村博之取締役が中心となって司会・進行を行い、「国際ニコニコ映画祭」の審査員も務めたアイドルの松嶋初音さんや、ニコニコ動画で人気のゴムさんなども登場。華やかな雰囲気に包まれた。

「体制」を味方につけ始めたニコニコ動画
 筆者は今年3月に行われたニコニコ動画(SP1)発表会見も取材したが、その時と今回と一番の違いは、著作権侵害動画などで問題を抱えていた同サービスが、権利者側をうまく味方につけ始めたという事であると思う。今回のイベントの取材に行き、まっさきに筆者の目に留まったのが、会場入り口に届けられた花の多さと送り主の名前である。動画を見ていただければ分かるが、テレビ局、広告代理店、ミュージシャン、アニメ会社などの「権利者側」の名前がずらりと並んでいる。

 実はこれには裏があり、ミュージシャンは間もなく開催されるドワンゴの音楽イベントの出演メンバーが多く、また、テレビ局や広告代理店などは「夏野様」宛てに花を出しており、決して「ニワンゴ様」「ニコニコ動画様」宛ての花ではない。既にドコモを退社したとはいえ、コンテンツ業界で夏野氏を知らないものはいない。これは今後の交渉に大変な影響があるものと思われる。また、顧問就任当日に多数の花が届いている事から、事前に各社には情報が伝わっており、根回しは十分できていたと推測される。

 前回のイベント以降の権利者側との動きでいえば、今年3月にはテレビ各局に著作権侵害動画の削除を申し入れ、4月には同サイト上で JASRAC管理楽曲が使用できる契約が交わされた。さらに先月には小池百合子衆議院議員が公式チャンネルを開設した。これは権利侵害の主要な被害者である放送業界出身の政治家が、ニコニコ動画にある種の「お墨付き」を与えた形になる。

 また同社は防戦一方ではなく、著作権侵害動画の削除を要求した権利者の名前を公表する事により、権利者側が削除を要求しにくくするという心理戦法も駆使するようだ(権利者申し立てによる動画削除の場合、権利者名を表示する機能)。そして、著作権侵害動画の削除を増やす一方、今後追加する新機能ニコニ・コモンズでは、新たな著作物の利用ルールを提唱し、クリエイターが創作活動をしやすい環境を整えていくという事である。

 こうした様々な企業努力でかつての四面楚歌的な状況は少しずつ変わり始めており、結果的には「明確な著作権侵害を行っているサービスを継続して提供し続けて良いのか?」という問題を乗り越えられる可能性が出てきたと思う。

 −−これ以外、世界に出られるコンテンツは日本にない。夏野氏がドワンゴ顧問に就任した理由として述べた言葉である。本当に海外で通用するサービスに成長させる事ができるのか? 筆者にはニコニコ動画が限られたマニア向けのサービスを脱し、もっと広く世間一般に受け入れられるための準備が、少なくとも日本国内においてはできつつあるように感じた。なお、次のメジャーバージョンアップは、今秋の予定だという。今回の発表会の様子は動画PJ PodTVでご覧いただきたい。【記事・映像:内田勉】

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