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PJ: 徳島 達朗

2009年福岡アジアマンス始まる(その5)=ノーベル平和賞受賞者、グラミン銀行のムハマド・ユヌス氏が講演
2009年09月28日 08:15 JST


都久志会館大ホールで講演中のムハマド・ユヌス氏。(撮影:徳島達朗、9月27日) 

【PJニュース 2009年9月28日】9月27日、福岡天神の都久志会館大ホールで、福岡アジア文化賞20周年記念の講演会が開催され、ホールは満員で約600名の市民が参加した。第1部の基調講演は、2001年福岡アジア文化賞大賞受賞者、2006年ノーベル平和賞受賞者でグラミン銀行総裁のムハマド・ユヌス氏。第2部は、同氏を囲んでの対談『私たちはどんな社会を創ればいいのか』で、安浦寛人氏(九州大学理事・副学長)とアシル・アハメド氏(九州大学大学院情報科学研究院特任准教授)が加わった。

ユヌス氏の講演は、2001年のバングラデッシュの大洪水の被害から始まった。要約以下のようであった。

地球温暖化、海面上昇が起これば、国土の5分の1が海抜1メートルのバングラデッシュは大きな打撃を受けるだろう。海水の浸透で農業も不可能になろう。

生活再建のために貧困な農村女性を対象に無担保小口貸付(マイクロ・クレジット)を実現するために、グラミン(農村)銀行を開始した。現在借りては800万人である。

貧困はシステムにより作り出されたものである。生活意識の問題としては、例えばこの楽しみは他人の害になっていないか。この商品を買うと他人の害にならないかと注意深く選ぶ必要がある。

マイクロ・クレジットはバングラデッシュだけでなく、フィリピン、マレーシアにも広がり、2008年にはニューヨークでも開始された。回収率は100%である。金融危機の中で、従来の銀行がうまく行かないときに、マイクロ・クレジットは成功している。むしろ好機と考えられる。

われわれは、グラミン銀行の成功を土台に、無私の心をビジネスの基本と考えている。人のためになる「ソーシャル・ビジネス」を目指している。株主利益の最大化ではなく、社会的利益の最大化を目的とする企業体である。利潤を上げることが目的ではない。

具体的には、先進国の大企業と提携し、ヨーグルト、きれいな水の提供を行っている。医療分野、看護学校も行っている。

第2部の対談で出されたいくつかの話題を紹介する。

ソーシャル・ビジネスの資金は寄付ではない。投資である。投資はもどる。心の喜び(満足)も得られる。それにより持続的に企業が継続できる。

通信技術の発展も活用できる。例えば、i-phoneである。貧しい人に与えることで、教育を受けていない人も利用しながら言語を覚え、正しい発音も習得する。e-mailも可能となり、将来医者との交信も可能となろう。

無私の心と言う点では、古き日本もそうであった。「滅私奉公」が生き方だった。それが昂(こう)じて「会社人間」が生じたが。

九州大学は2007年に、ユヌス氏の「グラミンコミュニケーションズ」と交流協定を結び開発途上国の社会情報基盤モデル構築のためバングラデッシュで実証・実験を進めている。

これらの分野での若い人びとへの期待を強調して対談は終わった。【了】

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PJ 記者