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PJ: 池野 徹

「朝青龍」を「夜青龍」にしたのは誰だ。相撲は、国技でも何でもない。
2010年02月06日 10:33 JST


"Sumoh Champ,Asa-Syo-Ryu" (撮影:制作:池野 徹) 

【PJニュース 2010年2月5日】2月4日、節分の豆まきじゃあるまいし、朝青龍は、相撲界から現役引退へ「鬼は外」と、はじき飛ばされた。自らの引退となっているが、引退をさせられたのだ。詰め腹を切らされたのだ。図らずも、貴乃花親方の理事騒動があり、相撲界の恥部がさらけ出されたタイミングであった。

相撲は国技と言われて来たが、本当にそうだったのだろうか。相撲をプロスポーツとするなら、日本には野球しかない時代から、相撲は日本のスポーツに入れられていたが、相撲はスポーツではなかったのだ。やくざの世界と変わらぬ組織と、義理人情で固められた古風な、興行世界であったのだ。

身体がデカイだけで、中学生ぐらいの少年が相撲の世界へ入れられると、厳しい徒弟制度があり、一枚違えば虫けら同然の世界へ漬けられて、飯ばかり食わされて強制的に身体を太らされる。根幹となるハングリーさをたたき込む。そして、横綱の頂点を目指す。

そのくせ、精神的には、日本人にも分からない品格を強いる。横綱と言っても、出世が速いほど若い。朝青龍は、現在でも29歳だ、外国人に日本のしきたりが簡単に分かる訳がない。その日本的精神性を教育もして来なかった相撲界だろう。

そんな相撲世界に、外国人を入れ始めた。ハワイ出身のジェシー高見山。なぜ外国人を日本国大相撲に入れたのか。興行のせいなのか。この外国人導入時に、相撲界が新しい覚悟をしていなかった事が、朝青龍まで響いているのだ。いまや、横綱、をはじめ番付上位は、外国人それで日本国相撲を成り立たせているのだ。だから、外国人導入時からもっとグローバル相撲として、相撲界を変えていなくてはならなかった。

日本柔道もオリンピックでオランダのヘーシングに負けてから、目が覚めた柔道界だった。いまや、そのルールは、外国に握られて国際化している。それもしないで、日本の相撲は、いまだに日本のしきたり的やくざ世界と同じ徒弟制度、親方子分の都合のよい義理人情世界に浸ってるのだ。親方だけが幅を利かす世界だ。だったら、外国人抜きで日本国相撲の一興行の世界の方が似合っているし良いのではないか。

マスコミ評論家は二言めには、日本の国技、品格を言う。年端もいかない若者に。まわりの大人の方が品格がないのに気がついてないのだろうか。この相撲界に品格などありはしないのだ。外国人に日本の品格などを解らせる事はできない。国技に祭り上げているだけだ。若者たちも多様化したスポーツに走り、カッコ良く金もうけ出来て、人気者になれる野球、サッカー、ゴルフの世界へ行ってしまっている。

飲み食いさせてデブになるだけの相撲をカッコいいとは思っていないのに、気がつかないのだろうか。救いは、貴乃花がどれだけの相撲改革をやるかにかかっている。それが貴乃花に分かっていればだけれど。

しかし、このスピード、技、感性を見せ、若貴無き後の相撲界を1人で背負った最強の横綱、朝青龍を態度が悪い、品格がないと、よってたかっていじめて来た日本人の度量が小さいことか。広い草原を走ったモンゴルの少年の心をつぶした。品格もない相撲世界に、品格がないとバカの一つ覚えで、外国から来たハングリーだった青年を日本的常識で押さえ込んで安堵している。

自ら最強の金になる日本相撲界を背負った男をやめさせた。日本相撲は、外国人で持っているから、また起きるに違いない。そのときに日本大相撲は、どうするのか。アスリートは勝つ事の厳しさと美しさと喜びを見いだせるのが観衆にとっての一番の事なのだ。土俵の上でその力を見せた希有のエンターテイナー横綱朝青龍は二度と現れない。

「そして、明るい朝から、暗い夜がやって来た」

【了】

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