SakuraFinancialNews

PJ: 池野 徹

「書」が春の空間を創る、第26回「産経国際書展」開催中。
2010年01月29日 07:53 JST


"Kyusen" (撮影:池野徹、1月25日) 

【PJニュース 2010年1月29日】「書」は、新春のスタートにはふさわしいアート世界である。筆を持ち、墨をしたため、文字を書く。日本人の作法として古来「書」の世界は、高貴な文化的なるものから、庶民的な挨拶状に至るまで作法として歴史を引き継いでいる。現世は、コンピュータなる文明の利器が登場して、人間が自分自身で、文字を書く事が薄れつつある。特に筆を使って表現する事は離れて来ている。しかし、書家の表現する「書」を見るにつけ、本来持っている、漢字、仮名の美しさに魅せられるものである。

国立新美術館で毎年行われる産経国際書展の「新春展」は、211点もの作品が、その書体を競って展示されている。「書」の見方として一番感じるのは、その書体自体の表現の作法もさることながら、白い紙皮の空間をいかに生きた表現で見せるかが、作品の優劣に連なるといつも思うのである。この大きな美術館の空間に、ひしめいた作品が空間を生かして納まっているかにより、見る人の感性を左右する。

作品群の中で、書家、小宮求茜の「藤原定家 さくら花」が、Art Calligraphy+仮名の組み合わせで出品されているのが、会場では目についたのである。藤原定家の和歌が繊細な仮名で表現されていて、それに、花のイメージのカリグラフィがコンポジションされていて空間対比を見事にしている。カリグラフィには金箔の破片がコラージュされ、面白い空間を創っている。小宮求茜が、藤原定家の恋歌、花歌に魅せられて書き込んでいる執着心がみえる。

小宮求茜は、第23回(2006年)産経国際書展仮名部門で、産経国際書会会長賞を受賞。師事していた石川蒼丘逝去後に社中が解散した為、以後フリーで出品。フリーで最高賞を穫った事で評価された。アーティスティックな世界に興味旺盛な気質が、「書」の世界にも生かされている様だ。

新春、確かに一筆したためてみたい気持ちにさせる展覧会ではあった。

【了】

■関連情報
●第26回 産経国際書展
1月20日〜2月1日
国立新美術館

http://blog.livedoor.jp/stone999/

PJニュースは一般市民からパブリック・ジャーナリスト(PJ:市民記者)を募り、市民主体型のジャーナリズムを目指すパブリック・メディアです。身近な話題から政治論議までニュースやオピニオンを幅広く提供しています。

PJ募集中!みなさんもPJに登録して身の丈にあったニュースや多くの人に伝えたいオピニオンをパブリックに伝えてみませんか。



関連記事:
タグ:
pagetop

PJ 記者