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PJ: 池野 徹

ハーレムの「125th Franco's Blvd」から、画家フランコの絵が消えようとしてる。
2010年01月21日 08:12 JST


"Save Franco's Picture !" (Pic by Kimi) 

【PJニュース 2010年1月21日】世界的に天候異変が続き、ニューヨークも時としてマイナス10度を記録したりする寒さであるが、ハーレムの125丁目の通りには、雨が降ろうと、雪が降ろうと、82歳にもなるフランコ・ギャスキン(1927-)が、日本人の奥さんのキミと現れる。世界中からハーレムに来るお客さんに、絵を描いてみせている。

フランコさんは、パナマから来た。1968年、マーティン・ルーサー・キングJrの暗殺があり、ハーレムで暴動が起こった。その時、ハーレムの商店街は、暴動から逃れるため鉄製のシャッターがおろされた。それを見たフランコは、ハーレムの人々に夢と希望をと、世界から尋ね来る観光人に何かしようと、鉄製シャッターに絵を描き始めたのである。怖いハーレムなので、バスから降りなかった観光客がフランコの絵を見るために降り始めたのだ。それが、ハーレムを明るい街に変えたのだ。以来40年にわたり描き続けてきて、「ハーレムのピカソ」とまで言われる様になった。今では、毎日曜日、世界の人々が名物男フランコさんに会いに来る。

そのシャッターが、125ストリートから2013年までに撤去される事態が起きている。消防の関係で中が見える格子のシャッターに変えようとされているのである。それは、ハーレムの街自体が不景気にさらされてきて、例えば、クリスマスには花飾りが信号機に取り付けられたりして、クリスマスツリーもあったが、それも無くなってしまった。変わらされつつある事だ。新しいビルができたり、クリントンが事務所を構えたり、黒人アフロアメリカンの街が、白人の街に移行しつつある事だ。銀行もやたらとできて、物価も上がった。地元の住民たちは、ハーレムが消されて行くと嘆いているのだ。

時代とともに変わるのはわかるが、フランコの絵が描かれたシャッターを残す事ができないものかと運動が始まっている。例えば、今ある近くの壁に取り付けられないか、124ストリートとか、ミュージアムへ移動出来ないかとか、嘆願書を作成してサインを呼びかけている所なのだ。この事態について、コロンビア大学のジャーナリストの学生たちが、ドキュメンタリーを自主制作して、試写会が1月8日にあった。タイトルは「125 Franco' Blvd」たくさんの人が来て質疑応答があった。フランコとキミの長年にわたるシャッターに描かれた絵、ストリートでの絵に対する、2人の協力と優しさが世界の人々に与えている感動、転換期に立ってるハーレム125ストリートを守り続けて来た2人の姿をドキュメンタリーで捉えたもので、多くの感動者からキミのもとへ支援状が届いている。

今、フランコは、ハーレムのレストランのオーナーMr. Jacobの依頼で「Black History Month」を描いている。Martin Luther King Jr.、MalcoLm X、Obama、Nelson Mandela、Michael Jackson、James Brown、Edward Kennedy等々。Jacob Restaurantで来月から見る事ができる。そのための制作にフランコは真っ白いキャンバスに顔を埋めて夜を徹して傾倒している。好きなナット・キング・コールを聞きながら。そばで、キミは高齢のフランコに、ヘルシーなスナックを作りながら言った。「時々彼が早く寝ると、寝顔を見ながら神様にお祈りします。『一緒に起きますように。』そしてシャッターに描いたマイケルジャクソンの絵が写ります。マイケルの下にはこう書いてあります。」「Never say good -by」

ハーレムのフランコの描いたシャッターの絵は、ゴミにはさせない。これは「Franco The Great」のヒストリーそのものだから。【了】

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PJ 記者