PJ: 池野 徹
「いにしえの恋歌」がアートになる。書家、小宮求茜。
2009年11月25日 09:04 JST
"This is wit" Kyusen (撮影:池野徹、11月16日) 
【PJニュース 2009年11月25日】秋も深まり日本の文化に貢献されたその道の達人が文化勲章、功労賞として国から表彰され、天皇家に拝謁(はいえつ)という行事が行われた。在位20年の天皇皇后陛下の祝賀も行われた。いずれにしても歴史懐古の感がある。現在は、それなりの平和にひたってる時代だから、文化的遺産に注目されているのは良しとしなければならないだろう。
東京都美術館では、冷泉家「王朝の和歌守展」が行われてる。平安末期から鎌倉にかけての歌人、藤原定家を祖とする冷泉家に伝承されてきた書や和歌が展示されている。この冷泉家も、代々、時の天皇家、政治権力家の中で継承されて来た。しかし当時の書家、歌人は、その文化的地位を重んじられていたのは、現世から見ると隔世の感がある。権力と文化は切っても切れないのだろうか。しかしこの文化のコニサー的遺産は、まぎれもなく文化所産なのだろう。
書家の小宮求茜さんは、現代の書家+アートカリグラフィの作家として、この和の文化に傾倒しているひとりである。和歌、俳句そして能楽の世界に踏み込み、時には突き抜けてROCK音楽の世界にまで顔を出す才人である。求茜の「定家のこいうた-drawing on fabric-」展が赤坂の旬菜楽「トキ」で行われている。
藤原定家のこいうたのイメージした世界を、アートカリグラフィでしたためた小作品が壁面を構成している。定家のこいうたは、よく見ると添えられている事に気ずくと言う次第だ。
塚本邦雄撰の「定家百首」より選んだ好みの歌を、キャンバスを利用してクロスで包んだフレームで表現している。和歌の下の句をキャンバスにと思ったそうだが、イメージだけにしたとの事である。大胆な墨の流れに川面のイメージ「久方のなかなる川のうかひ舟いかに契りて闇を待つらむ」墨の流れの強さが恋の強さか。
「トキ」のオーナーは、土岐素子さん。求茜とは、俳句の会の同人で、デザイナーから転身板前修業の後、7年前この赤坂に店をオープンした。クリエイティブな和食が楽しめる。しかし、求茜も土岐さんも、生きて来た過去は、ナゾに見せる所が共通の様だ。この古の恋歌は、彼女たちの現世に夢か現か、男たちにはわからない。昔遊んだ赤坂とは違う顔を、今宵ワインを飲みながら瞑想していた。【了】
■関連情報
小宮求茜「定家のこいうた」-drawing on fablic-展
11/4〜12/4
和食の店旬菜楽「トキ」
港区赤坂2-14-12川村ビル1F
03-3586-7090(日祝日定休、土曜予約営業)
http://blog.livedoor.jp/stone999/
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