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PJ: 池野 徹

ユニクロ的でいいのか。ファッションの一元化に挑む。デザイナー北原明子さん。
2009年11月08日 07:01 JST


"Marvellous Moment Meiko !" (撮影:池野徹、Oct.18.'09) 

【PJニュース 2009年11月8日】今最大のファッションは何か。エコブームと言う事になるのだろうか。自動車産業も左前の救い手として、エコカーに熱を入れだした。あの華やかなりし、F-1レーシングから手を引かざるを得なくなり、魅力も無いエコカーへと走りだした。日本のマーケットへ進出した外国ファッションブランドも、そろそろ日本撤退が始まっている。皆、中国上海へと向かっているのだろうか。

いまや、時代の寵児(ちょうじ)となっているのが、ユニクロである。廉価でグッドクオーリティを売り物に、世界制覇を狙うとユニクロ社長は豪語している。経済不況下のマーケットで一般人的ニーズに応えているのは事実だろう。スーパーマーケット思想が日本を席巻して、代々継続して来た個人商店の商いを奪って来た。街の影で商っているお店は、伝えたて来た技術と、誇りだけで生きている。

中小企業がどうだとか、分かった様な政治言葉はいくらでもあるが、みな、大きなものにつぶされて耐えているのが現状だろう。大きな産業に取り込まれた人たちは、本来持っていた様な、礼儀作法、情緒的センス、そのものの持っている本質的な良さを忘れ去り失いつつある事だ。怖いのは、みんな一緒でいる事が、みんな同じものを共有している事が、当たり前の事だと言う人間が増えて来て、いざ事があると一斉に同じ方向を向いてしまう人間社会になって行く事だ。

10月17日と18日、新宿の京王プラザ4129号室で「マインメイ2009秋冬コレクション」が行われていた。デザイナーは北原明子さんである。北原さんは、文化服装学院デザイン科、花の9期生の1人である。「ケンゾー」の高田賢三さん、「ニコル」の松田光弘さん、金子功さん、コシノジュンコさんらと同期生で、日本のファッション界をリードした個性溢(あふ)れるメンバーの一人である。

そんな北原さんは、マスセールスというより、個性的な縫い子さんが一つ一つ丁寧に仕上げた皮ジャケット、コート、ドレス、ベスト、アクセサリーを、着心地の良い生地で、上品な柔らかい色使い、時代を超えて着こなせる生活のファッションを提供してくれる作品群が売りである。もちろんそれなりのプライスであるのは当然だろう。北原さんは、その世界での満足感を得ているが、このウエアをもっと着てくれる、注目してくれるコンシューマーがいても良いのではないかと思われる。

みんな同じものを着て、したり顔でいるより、季節の変わり目に、恋人とのデイトに、パーティへのお出掛けに、オシャレをして出掛けるのにふさわしいウエアが、センスのあるウエアが何と少なくなっている事か。どこへでもジーンズで済ませているだけのファッション、それも悪いとは言わないが、自分にフィットする、似合う、個性的なウエアセンスを見失ってないだろうか。北原さんの世界は、ユニクロ的世界と相対する所にある。コングロマリット的怪物に飲み込まれず、自分のコンセプトを大切にする気持ちをにじみ出して、頑張っているのは素晴らしい事だ。

「私ごとだが、30年前にオーダーで創っていただいた明子さんの、グレイの手袋地の薄い皮のジャケットは、先日のあるパーティで、かのモックンが褒めてくれた。時代を超えて良いものは良い。これってオシャレの神髄じゃないだろうか」

【了】

■関連情報
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PJ 記者