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PJ: 池野 徹

人に惚れるか。写真に惚れるか。秋田淳之助・秋田好恵2人展。
2009年08月31日 16:33 JST


"Junnosuke x Yoshie AKITA" (制作/撮影:池野 徹) 

【PJニュース 2009年8月31日】写真世界は、今や、ごく一般化した、誰にでも撮れる日常的な映像世界である。ひとえに、フィルムからデジタルへの急進した結果でもある。携帯で、デジカメで動画ムーヴィーと一体化してゲーム感覚で手に入れる事ができる。しかし、機能的なビジュアル、つまり、報道犯罪、広告、記録写真分野はあるが、ファインアートと期して、アートの映像分野での写真の魅力、感性は認められているだろうか。

それと、写真というカテゴリーのアートは、はっきり言ってレベルが低いのではないだろうか。写真家はたくさんいるが、食って行くための写真は必要だし、それはよしとしても、写真家が信じた映像世界へのこだわりは希薄なようである。日本人の文化への低感度を考えればうなずける事ではあるけれど。

写真展で何時出会っても、清楚とした物静かな、バンダナスタイルの美人カメラマンがいた。紹介で分かったが、鹿児島出身の美少女であったという秋田好恵さんである。映像世界に魅せられて写真家、杵島隆の門をたたく。そしてフリーとなった。彼女の作品に、妊婦のヌード作品が多い。その作風は、造形的でややシュールなタッチに見える。モノクローム作品が多いせいかもしれないが、妊婦の人間的なものはあまり感じられなかった。

それはもしかすると、女性が撮る写真としての違いかもしれない。男が撮るヌードはもっと美的なものを捉えたがるが、彼女の作品からは違う、妊婦と写真家が創り出すサムシングがある。造形的と言う事に対しては、ナチュラルであるとさりげなく応えてくれた。また、写真の表現に、コンポジションを気にしていて興味があるようであった。

同じ広告写真家協会のメンバーで仕事をした事もある、いつも明快な男の印象がする秋田淳之助さん。同じく、デザイナー出身の映像作家である。写真の被写体として見るその眼は、広くて、興味があって、日常転がっているモノへの美の捜索は人より激しいに違いない。自分もニューヨークへ初めて行った時にソーホーの汚い裏道で見たゴミが風に舞い上がりビルのすき間からの光に浮かび上がった時、これが,ニューヨークならではの映像と思ったものだが、共通する部分がある。彼は、デジタル時代の写真世界により興味を抱き、自己の美の世界へのこだわりが、そのプロフェッショナルの映像追求が、ますます広がって来ていると語っていた。

8月27日より、「秋田淳之助・秋田好恵2人展」がオリンパスギャラリー東京で行われている。写真家仲間、関係者でオープニングパーティがあった。1968年、スタジオGT設立でともにした、秋田淳之助・好恵夫妻である。二人の写真経歴、そして、後輩を育てる写真教育の現場で、深い積み重ねがあり、あらゆる場面に登場している、まさに希有なる写真家夫婦である。淳之助さんに、「好恵さん自身の写真の映像展をやったら」と言うと、「やったことがないし、気に入った写真が1点あるけど」と答えたが、夫婦と言えども独自の世界を追求している写真家である。夫婦の作家的葛藤は、あるだろうが、人間性の素晴らしさでその作品に肉付けできたら、うらやむ結果になるだろう。多分良いインフルエンスが、個性的な写真表現をしているのだろう。写真のためにも、写真家のためにも貴重な世界を広げてほしいものだ。【了】

■関連情報
秋田淳之助・秋田好恵2人展
8/27〜9/2
オリンパスギャラリー東京
03-3292-1934

http://blog.livedoor.jp/stone999/
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PJ 記者