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PJ: 池野 徹

夏、「HIROSHIMA」が爆発した。Flower Travellin' Band.
2009年08月25日 09:00 JST


"No more War!" (制作/撮影:池野 徹) 

【PJニュース 2009年8月25日】1945年8月6日午前1時45分、テニアン島A滑走路を離陸したB-29エノラ・ゲイは、Mk-1核爆弾「リトルボーイ」を搭載していた。そして、8月6日午前8時15分17秒、広島上空高度9632mよりその原子爆弾が投下された。43秒間落下して、高度600mで核分裂爆発を起こし巨大なキノコ雲が発生した。広島市民35万人中、14万人が死亡した。人類史上最初の核爆弾爆発された一瞬であった。

ギラッとした太陽。青い空、白い雲、8月になると、誰でも幼い頃(ころ)の夏休みを思い出すだろう。そんな1ページに、忘れられない戦争の記憶が残っている。原子爆弾が落とされ日本が敗戦を迎えた8月15日だ。何か頭をがーんと叩(たた)かれ真っ白になった記憶が、青空に浮いている様な虚(むな)しい現象だ。だから、大好きな夏なのに、必ず死の影が脳裏にへばりついている。死者が先祖が蘇(よみがえ)って来る、お盆の季節であるのも不思議な巡り合わせだ。

そんな8月20日、東京渋谷のDUO MUSIC EXCHANGEでジャパンツアーを始めたFlower Travellin' Bandが登場した。真っ白いブレザーに、真っ赤なパンツ、腰まで垂れたドラッドヘアー、「今また核問題が叫ばれてるが、俺たちはずっと歌って来た」と「HIROSHIMAヒロシマ」を熱唱したジョー山中とFlower Travellin' Bandの演奏が10分30秒も続いた。

"Once upon a summer day in their midst, a mushroom grew. They never saw they never, never knew. They're walking on the street,making shadows on the wall,they're sitting on the steps , malting into the stone. Children of the mushroom. Aren't we all , aren't we all..."「ある夏の日 きのこ雲がもり上がり 誰もみえない 誰もきこえない きのこ雲が 壁に影をたおして 街を往く人たちが すい込まれてゆく 敷石にすい込まれた あの日 ある夏の日 きのこ雲は そこまで きのこ雲は子らをも われらすべてをも」

オリエンタルサウンドの石間秀樹のシターラのイントロが響く中、空間を引き裂くジョー山中の天に突き抜けるシャウトが、怒りと悲しみを象徴するかの様に観客を圧倒する。ジョージ和田のドラムがうなり、高く低くリズムを刻む。ピカドン投下の一瞬が、胸に迫って来る。悲しみと慟哭のサウンドがリフレインされうねりながら流れて行く。篠原信彦のキーボードが細かい刻みからアグレッシブに高まって行く。心底に響くベースの恐怖音が小林ジュンのギターリフから広がって行く。繰り返し繰り返し、高く深く、そのサウンドの流れは、ジョーの"Aren't....."の断末魔の叫びで終焉に向かう。

観客は、身じろぎもせずそこに縛られていた。この壮絶なるロックサウンドは、戦い、鎮魂のための、ミサ曲ともなっている。ロックを越えた音楽そのものの世界に入っていた。オリジナルは1973年にリリースされた「Make Up」に入っている。24分49秒もの長編の曲になっている。ロック歴史に残る鎮魂曲だと思う。なぜ、今まで、8月6日のヒロシマの原爆慰霊祭の式場で演奏されなかったのだろうか。「黙祷」に続いてこの、Flower Travellin' Bandの『HIROSHIMA」が演奏されるべきだろう。より原爆の恐怖を、蘇らせ、人の心に響き、より犠牲になった人たちへ、鎮めを与え、人間の五感に訴える、世界にパフォーマンス出来る音楽だろう。

「Woman」「SATORI Part2」トリに『HIROSHIMA」を含め、11曲、アンコール2曲と、ほどよく力の抜けた演奏は、詰めかけたファンとともに、そこには満足感の気持ちよい空気が流れていた。

【了】

■関連情報

8/25 名古屋BOTTOM LINE
8/26大阪心斎橋CLUB QUATTRO
8/28京都京大西部講堂
8/30横須賀Younger Than Yesterday

www.flowertravellingband.com

http://blog.livedoor.jp/stone999/

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PJ 記者