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PJ: 池野 徹

麻生首相は、「殊勝」なヤツじゃないだろうか。
2009年07月18日 04:06 JST


"The Man on the Edge" (制作/撮影:池野 徹) 

イチローは言った。「感激しましたよ」。米大リーグのオールスターゲームの始球式に、オバマ大統領が登場。試合前に、イチローにサインをしてくれたそうだ。そのオーラに圧倒されたと言い、感銘を受けたオールスターになったとあのイチローが照れていた。イチローもオバマも、殊勝なヤツだ。イチローはあの体で、大リーグの常識を変えた男日本人だ。オバマもアパルトヘイトの黒人から大統領になった、アメリカを変えた男だ。

大統領は時の人でありその国の顔である。その裏側には分厚い国の責務がまかされている。つまり最大のディシジョンメーカーであり、権力者でもある。その人が大統領になった時から、一個人と一公人が360度から見つめられるポジションになるのである。その中で垣間(かいま)見せる人間性。今の所、オバマは、その、個人公人に置いて、すべてカッコ良い。ホワイトソックスのジャンパーにジーパンは似合い過ぎる。しかし、色褪(あ)せる時も来るに違いない。イチローだって陰る時が来るのだ。

我が国の麻生首相も、吉田茂の血筋を引く、オリンピック選手もやる、カッコイイ首相を目指していたに違いない。国会議員は誰しも、一国の首相の座を狙って政治活動して来てるわけだ。しかし、時の流れは、小泉首相の後、安倍、福田と短命内閣が続き、つなぎ的に転がり込んだ首相を引き受けた麻生首相は、当初から風波喧騒(けんそう)の中を船出した事は分かっていたはずだ。民主党の台頭に剣が峰の自民党は意識していたはずだろう。下手をすれば自民党最後の首相になるかもしれないと。それでも、権力の座を引き受けたからには、自分流でやってみせると意識していたであろう。

字も読めないオボッチャマ首相と言われ、アニメ好きのお祭りのハッピが似合う小頭のオトッツアンと言われても、自分なりの姿勢は崩さないでいたであろう。麻生首相が時々見せる、「ニヤリ」とした表情は、不敵と見るか、不貞(ふて)腐れと見るかによって違うだろう。「不敵」の面構えと見たいのだが。政治家は口がうまい、だからこそ、人前に立てるのだが、海千山千の政治家に囲まれ、また、時の増幅機関メディアタイフーンにあおられ、孤独に追い込まれ、裸の王様になるのは想像出来るわけだ。

ここで麻生首相のやる事は、「ニヤリ」と不敵な笑いを突き通す事だろう。結構、人間的なオシャレなワルオヤジになれるカッコ良さは分かるし、オレがこんなに一生懸命やっているのに、周囲は、何を言っているのだろうと疑心暗鬼の気持ちだろうが、己の首相の才覚はかなぐり捨てて、本気で不貞腐れて、国民の、一般庶民の側を意識した発言で、切り抜けるべきだろう。

日本では、誰が首相になったとて、すぐ引きずりおろすセッカチな国民性で、一国の領袖に対するリスペクトの念はなく、泰然自若なんて昔の事で、目先さえ良ければの、程度だ。小憎らしい口の立つヤツばかりがまかり通る。東国原、橋下知事などは、口で持ってるだけだ。すぐに化けの皮がはがれる。もうはがれ始めてる。自己犠牲で、本気で国のために身を捧(ささ)げるヤツなどいるはずも無い。「国民が、国民の」などと唱えるゲビタヤツが多過ぎる。何でも言える自由を手に入れて歴史の浅い日本民主主義国家は、まだまだ、発展途上国だろう。こんな流れで首相になった麻生首相。死に際の底力は、手前の器量で締めてくれ。「殊勝」とは、「優れてる事、神妙な事、けなげな事、感心な事、奇特な事でもある。」

「首相が殊勝になる時はいま、バッキャロー」

【了】

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