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PJ: 池野 徹

20年前のフィルム・プリントは、美しかった。
2009年06月15日 09:18 JST


"JOE"by "PHOCK" (撮影:池野 徹) 

【PJニュース 2009年6月15日】1990年に、初めての写真個展を銀座のコダックフォトサロンで開いた。『PHOCK」と言うタイトルで、内田裕也プレゼンツの「ニューイヤーロックフェスティバル」を撮りためた作品を個展として発表したものだった。プロのロックミュージシャンのオンステージ、オフステージを、コダックのフィルムで、K2といわれたコダクロームの感度25のフィルムで、主に撮影したものだった。暗い中での動きのあるロッカーを、少ない光の中で、低い感度で捉(とら)えた作品だった。ブレの中に汗の軌跡が見えたりする気に入った作品だった。

その作品群に20年ぶりに対面する事になったのである。なんのことはない、引っ越ししたのを機に、保管していた作品の荷を解いたのである。ほぼ完全に保存していたが、作品プリント面に少しカビが出ていたが、除去すると、当時の、色彩の彩度も落ちていない色鮮やかな写真プリントを再確認出来たのである。

そこで見たものは、フィルム作品のプリントの美しさと、フィルムならではの柔らかな画面、ブレ具合の美しさであった。久しぶりの対面もあるが、やけに新鮮に見えたのである。この作品は「フェニックス」というプロ写真ラボで、鎌倉さんと言うプリントの名手に焼いてもらった作品だった事を思い出し、さすが、20年を経た今、リアルタイムで蘇(よみがえ)ったフィルムプリントを確認出来たのだ。

今や写真の世界は、デジタルが完全に主流になっている。写真と言えば、画像と称されて、当たり前のごとくになっている。フィルムの写真の映像など経験されてない時代になって来ている。デジタルカメラで、メディアを使い、パソコンに取り入れ、フォトショップ等で自分で、写真レタッチまでできる時代である。フィルム撮影より安く手軽に映像を手に入れる事ができるのだ。自分でクリエイティブ才覚さえあれば、思いの作品をクリエイト出来るその良さはある。しかし、プリントされた写真作品は、デジタルのインクジェットのアウトプットしたプリントは、フィルム作品の様にそのクオリティを保ったまま20年後に見る事ができるだろうかと不安はある。

プロの写真作家で、フィルムにこだわって撮り続けている写真家は存在する。その写真の映像制作のための、カメラ、フィルム、プリント技術は、時代が変わってもぜひ残してほしいものだと、あらためて、20年前の作品に出会ってフィルムとデジタルの映像のタッチの違いを発見して、妙に感じ入ってしまったのだった。現在わが家でそのフィルム作品をピックアップして展示中だ。

”フィルム派?デジタル派?”

【了】

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