SakuraFinancialNews

PJ: 池野 徹

エピソード「ジュリー」vs「裕也」。「きめてやる今夜」によせて(下)
2009年03月18日 09:07 JST


"Yuya vs Julie"(撮影:池野徹) 

(上)からのつづき。会場は、ジュリーファンであろう超満員であった。親子代々のファンが来ていた。オープン前の神経の尖った裕也の顔が目に浮かぶ。裕也の本音を見たいなら、普通の人は見られないが、リハーサルを見ると分かる。今夜は、スター、ジュリーとの絡みでマイルドにはなっていたが。

 暗転して6時40分、プレスリーの「監獄ロック」でオープンした。左右からジュリーと裕也が、白いジャケットで現れた。センターで交差して、一瞬、宝塚を思わせたが、緊張感の二人がまぎれもなくオンステージしていた。「トラブル」「ツイスト&シャウト」と続く。ジュリーが「タイム・イズ・オン・マイサイド」「傷だらけのアイドル」、裕也が「朝日のあたる家」「コミック雑誌なんかいらない」を熱唱。裕也の「朝日のあたる家」は気が入っていた。裕也のロックの振りは、カッコヨイ。動きとストップが良いのだ。ジュリーは、昔をほうふつさせる歌声の厚みに、ジュリー節が高音で鳴り響く。

 二人でのカウンターバー・スタイルのステージはアコースティックで、裕也「ビー・バップ・ア・ルーラ」、ジュリー「お前がパラダイス」そして、何と二人で「俺は最低な奴さ」を歌った。人生の懺悔(ざんげ)だったのか。妙に感じさせていた。そして、ジュリーが「キャンディ」、裕也が「ジョニー・ビイ・グッド」でジュリーを誘った。裕也の得意の振りナンバーだ。ジュリーが「湯屋さん」を裕也とかけて歌い、会場大合唱。そして、二人でテーマ曲「きめてやる今夜」を感慨を込めて歌った。裕也が「ドームで80曲も歌った沢田、あの出会い以来のスターになった沢田」をコールした。ジュリーは「何もヒット曲のない裕也さん、ヒット曲多数の自分、しかしすべては、裕也さんがいたからだ」と男同士の交歓が、感激を誘っていた。

 1965年、高校中退したジュリーが、リードヴォーカルとして「ファニーズ」結成。そのとき関西に来ていたロック歌手、裕也が、ジュリーのヴォーカルと容姿に目を付け、渡辺プロダクションと契約、上京後に「ザ・タイガース」と改名。67年「僕のマリー」で、デビュー、「シーサイドバウンズ」「君だけに愛を」でブレイク、グループサウンズブームのまっただ中へ登場、日本のスーパーアイドルになったのである。そして、43年を経てこのステージに立ってる、裕也とジュリーは、その感慨の深さは、当人たちの胸中に深く刻まれているだろう。

 ステージではその間、裕也から、娘婿モックンと、かつて86年、映画「コミック雑誌なんかいらない」で監督に据えた滝田洋二郎へのアカデミー賞獲得の驚きと賛辞を発した。また、会場に孫連れで来ていた妻、木樹希林をステージに「親戚です」と紹介し、「ジュリー〜〜」と言わせた演出があった。希林のテレとジュリーのテレがこのステージで再現するとは、良きシーンであった。裕也も69の節目に内田ファミリーの活躍ぶりが、ジュリーとともに確認できた意外なステージになった。

 演出のワイルドワンズの加瀬邦彦もギターで現れ、アンコールタイムになり、「ルシール」「サティスファクション」「ブラウンシュガー」とストーンズでロックして、ジュリーのレノンの「ラヴ」で締めくくった。25曲の熱唱であった。ジュリーファンの中に、裕也ファンもできたのではないか。

 客席の希林さんとは、希林さんの着物の仕事で、京都で写真撮影した知り合いで、内田夫婦の特異ながら、しかし、人間人生のいろいろを感じさせる、目が離せない人たちであり、立ち見の陰でシートに座ったままの希林さんが、じっと裕也さんの声を聞き入ってる姿は印象的であった。バックステージに一緒に行くと、ロサンゼルスから帰国後に成田空港から直行した娘、也哉子さんがいて、内田ファミリーが顔を合わせた瞬間でもあった。也哉子さんが、オスカー像のミニチュアを、お土産で送ると楽屋内は一斉に湧いたのである。

 裕也は、さすが疲れを見せていたが、それより、歌手としての興奮が収まらず、周りのゲストにまだやれる勢いをアピールしていた。それは、69を超えるロックンローラー裕也がそこにはいたのである。ジュリーの楽屋を訪ね、何年ぶりだろう、ちょっと30年前の話をして、ツーショットの写真を撮った。ジュリーには、穏やかさと、円さとが感じられた、暖かいシェークハンドだった。裕也さんに、2次会へ行けない事を告げ、シェークした裕也さんの手は力強いものだった。時の過ぎ行くままにの、今日の出会いは、マイルド「ジュリー」とツッパリ「裕也」が噛み合った「きめてやる今夜」になった。渋谷の夜は、すっかり雨があがっていた。

♪Rolling On The Roard♪

【了】

■関連情報
FXトレーディングシステムズはパブリック・ジャーナリズムの発展とPJ(市民記者)の活動を応援します。
キャッシュバックキャンペーン実施中
PJニュース.net
PJ募集中!
"Creative Eye"(記者ブログ)

■関連記事
エピソード「ジュリー」vs「裕也」。「きめてやる今夜」によせて(上)
娘・内田也哉子さん、裕也さんに「オスカー像」プレゼント?



関連記事:
タグ:
pagetop

PJ 記者