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PJ: 池野 徹

エピソード「ジュリー」vs「裕也」。「きめてやる今夜」によせて(上)
2009年03月17日 16:33 JST


"Yuya vs Julie"(撮影:池野徹) 

1970年代、大阪万国博覧会で幕開けした日本は、ディスカバー・ジャパンの旅ブーム、外食マクドナルドの上陸、人気劇画「あしたのジョー」、パリのファッションに「ケンゾー・ショック」、ボウリングブーム、カップヌードル発売等を経て、70年代後半、若者に、インベーダーゲーム、ウオークマンが大流行した79年、当時わたしは広告代理店でクリエイティブ・ディレクターをしていた。清涼飲料のコカ・コーラを担当して、競合他社に対して攻勢をかける大規模な「サマー・キャンペーン」を毎年実施していた。そのコマーシャルに、当時、レコード大賞、紅白のトリを務めた歌手、ナンバーワンの「沢田研二」をキャンペーンに起用したのである。

 もうひとつの理由は、うちの女房が大のジュリーファンだったからである。ファンと言えば、最近の北朝鮮拉致事件の被害者の田口八重子さんが、ジュリーのファンだった事、そのCDを金賢姫にスーベニールとして手渡ししたニュースが流れたのには驚かされた。ジュリーとはハワイ島でロケして、テレビCFとスチル写真を撮った。ビジュアル系ポップ歌謡歌手として頂点にいたジュリーは、真っ赤なTシャツに、黒髪なびく美しい青年だった。ロケ中はハワイを楽しむかの様に、ほとんど、暇さえあれば眠っていたのを覚えている。大野克夫作曲で「RED SUMMER」という爽快なCMソングもできて、キャンペーンは大成功であった。

 そのコカ・コーラに、何度かプレゼンテーションして、思い入れのある「ローリング・ストーンズ」をCFに起用しようとしたが、キース・リチャードの薬による逮捕事件等があり実現できなかった。73年、ストーンズ初来日が予定されていて、内田裕也の「フラワー・トラヴェリン・バンド」は、オープニングアクトに決まっていたが中止になった。78年、コーヒー飲料「GEORGIA」と、果汁飲料「FANTA」の撮影で、ロサンゼルスに滞在していた時、アナハイム・スタジアムでローリング・ストーンズの「Some Girls」のライブを初めて見る事ができて、持参したカメラは没収されたが大感激だった。その同じ会場に、日本から内田裕也と東芝EMIの名物ディレクター石坂敬一(現ユニバーサルミュージック会長兼CEO)がストーンズインタビューに来ていたのだ。

 80年、オノ・ヨーコもゲストに現れた、映画「人間の証明」の歌手、ジョー山中のウエディングパーティーで、内田裕也を紹介された。それから時を経て、89年、ソニーの盛田昭夫会長がニューヨークのレストランで、ミック・ジャガーと同席したとの情報を知り、ソニーに、ストーンズのCF起用をプレゼンテーションしようと決心して、内田裕也がミックと電話で話せると聞き、赤坂のプリンスホテルで内田裕也と会い、コンタクトを依頼したのだった。内田裕也は気難しいが、生真面目な部分を見つけたのが印象的であった。ソニーへは、プレゼンテーションしたが、ミック・ジャガーの単独世界ツアーが中止になり、それを追っかけながらのCF撮影のコンセプトが崩れて中止になった。

 90年、ついにローリング・ストーンズ来日初公演となる。その年、内田裕也のニューイヤーロックフェスティバルの写真で初の写真個展「PHOCK」を銀座のコダックサロンで開く。92年の20thロックフェスから、ビジュアル広告と写真を担当する。93年、「猟犬結集」という4文字熟語の内田裕也のコピーで、ヘアー解禁のポスター制作。新聞で騒がれる。内田裕也のコピーライターとしての閃きは、センスがあった。「職務質問」、「国籍不明」、「不埒者」と続いた。95年、娘、也哉子さんと本木雅弘さんの結婚の写真を撮る。99年、内田裕也の還暦パーティーが、青山のサバティーニで開かれ、久しぶりに、沢田研二とも再会したのである。子息の様子などを訪ねた覚えがある。

 沢田研二、48年生まれ60歳。内田裕也、39年生まれ69歳。2009年2月25日、渋谷のC.C.Lemonホールで「きめてやる今夜」と題してジョイントコンサートが公演されたのだった。60代にして二人のスター同士のライブコンサートになったのである。ジュリーは、08年のドームコンサートで「人間60年、ジュリー祭り」で80曲を、6時間半ぶっ通しで熱唱、健在ぶりを見せた。裕也さんは、36th New Year World Rock Festival '08-'09を、アメリカ、カナダ、中国、韓国、日本と5カ国開催して、文字通り「69」の年をセレブレイトした。その直後の二人のコンサートになったのだ。

♪Time Is On My Side♪

【つづく】

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